がんは、私達が患者または患者家族として関わる可能性がとても高い深刻な病気の一つです。そして、「何かを決めることの難しさ」に直面する病気でもあります。
医学と診療技術の進歩によって治療法などが多様化する一方で、医師だけでなく患者側にも意思決定が求められるようになりました。ところが、多様な選択肢のなかで患者や家族が「決める」のは簡単ではありません。命のリスクという大きなストレスを負いながら、人生観や家族関係、そして時間・費用・医療資源の現実をふまえて、ベストな判断をしていくためには、充分な情報が必要でしょう。
ところが、がん対策推進基本計画が「国民の情報不足感の解消」を最重要課題の一つとするなど、がんの情報不足感が問題となっています。
QLifeは、この問題を解決する第一歩に資するべく、実態調査を行いました。インターネット経由で6,560人から回答を得ました(内訳:患者本人590、5年内家族1,266、5年内近親者1,040、5年超近親者2,159、未経験1,505)。
※厚生労働科学研究班『国民のがん情報不足感の解消に向けた「患者視点情報」のデータベース構築とその活用・影響に関する研究』の一環として行われました。
2010年度版 調査結果の概要
調査の目的
- がん情報不足感の実態確認
- がん情報不足のメカニズム確認
- “患者視点”情報の意味を確認
調査結果の概要
1. 物理的な情報不足度は、さまざま
- 充足派/不足派は半々程度
- 「有用な情報源との接触度合い」と「充/不足感」に相関ない
- 「年齢」「関与度」「死」が「充/不足感」に影響を与えている可能性ある
(※クリックで拡大します)
(※クリックで拡大します)
2. 物理的な情報不足メカニズムは、存在しない?
- 情報不足の原因として、以下のいずれかにボトルネックがあるわけではない
存在の問題(そもそも存在しない情報を欲している?)
量・質の問題(増やす、平易にする等で解決できる?)
分散の問題(集約等で解決できる?)
アクセシビリテイの問題(見つけやすくする等で解決できる?)
収集上の他障害(匿名で探せるようにする等で解決できる?)
⇒「ここを集中強化すれば不足感解消の効果が高い」という物理的要素はない
3. “患者視点”情報とは、感情的なもの?
- “患者視点”が実際に意味するものは多様
- “患者視点”という言葉が「不足感」を刺激・増幅している可能性がある
- 「医師対患者」対立疑念も背景となっている可能性がある
「女の方が」「若い方が」「本人より家族の方が」、がん情報が不足~がん情報の入手・利用に関する大規模調査~ | PR NAVi | 2011.09.26 03:09