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2011年度「がん情報の不足感」実態調査

 がんは私たちの多くが、患者ないし家族として関わる可能性が高い深刻な病気の一つです。そしてがんは、告知の是非やその治療法、終末期のケアに至るまで、多様な対処法が存在します。近年ではさらに、医学や診療技術の著しい進歩に加えて、さまざまな意思決定の主体性が患者側に移行しつつあることが、この多様化に拍車をかけています。
 ところが、国のがん対策推進基本計画では「国民の情報不足感の解消」を最重要課題の一つとしているように、患者、そして医療者ともに十分な情報を有していないことが考えられます。そこでQLifeでは、2010年に、基本的な実態把握を目的に第1回調査を実施しました。その結果、「がん情報不足感の解消には、物理的な情報拡充だけでなく、感情面を考慮したアプローチが有効」との仮説が生まれました。そこで、第2回目となる2011年度の調査では、「情報不足感の解消に有効な、感情面のアプローチ」に重点を置き、調査を行いました。その結果概要をご紹介します。

2011年度版 調査結果の概要

実施概要

  1. 調査名称:がん情報の入手・利用に関する実態調査
  2. 調査対象:がん調査の呼びかけに応えたQLife会員ならびにその他の一般生活者
  3. 有効回答数:6,207人
  4. 調査方法:インターネット調査
  5. 調査時期:2011/9/21~2011/10/13

※本調査は、厚生労働科学研究班『国民のがん情報不足感の解消に向けた「患者視点情報」のデータベース構築とその活用・影響に関する研究』の一環として行われ、当班の代表者である中山健夫・京都大学大学院教授に監修を受けています。

調査結果の概要

  1. 治療法(=「情報不足感」の最大対象(2010年調査より))に関する情報満足を高めるには?
    • 「先進医療」「標準治療/標準療法」は認知・理解されていない
    • 上記の認知・理解度は、「情報不足感」と強い相関がある
    • 本人より家族の方が、治療法選択の不満大きい
    • 治療法選択の満足理由は、「主治医」「納得」「説明」がキーワード
    • 「患者視点」の情報提供と感じるのは、“「告知」タイミングで、内容に「費用」「メリット」を含め、「丁寧」「正確」に、かつ「家族」「インターネット」を考慮されてなされたケース”が多い可能性
  2. 患者会(=「有効性」高く「患者視点感」高いがん情報源(2010年調査より))との接触率を高めるには?
    • 「患者会」の具体的イメージない人が多い
    • 患者同士の交換機能が評価される一方で、外観が否定されがち
    • 参加者の参加理由は、「実践的ノウハウ」より「メンタル上の効果」
    • 不参加者が参加するには、カルチャーが変わる(と伝わる)ことが必要

 (※クリックで拡大します)

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2010年度版 調査結果の概要

  1. がん情報の“物理的”な充足/不足状況は、曖昧・非論理的で、実態は混とんとしている
  2. 情報の“物理的”な不足が生じる原因は、特定の因子ではない
  3. (「情報が非存在」「未充実(質/量不足)」「未整理(散在)」「アクセシビリティ」「当人事情 (面倒、苦痛等)」の5因子がほぼ同等に影響しており、特定のボトルネックはない)
  4. 「患者視点の情報とは何か」を“物理的”に定義することは困難で、多分に感情的なものである可能性が高い