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2012年度「がん情報の不足感」実態調査

 がんは国民の多くが患者当事者ないし家族として関わる可能性が高い深刻な病気の一つです。告知の是非に始まって、その治療法や終末期のケアに至るまで、その対処法はますます多様化しています。医学や診療技術の著しい進歩に加えて、さまざまな意思決定の主体性が患者側に移行しつつあることが、この多様化に拍車をかけているといえます。
 ところが、国のがん対策推進基本計画では、「国民の情報不足感の解消」を最重要課題の一つとするなど、がんに関する情報が不足していると言われています。そこには、いわゆる「情報の非対称性」以上の問題があり、患者だけでなく、医療者も情報不足に陥っている可能性があります。さらに、ただでさえ命のリスクに大きな心理負担を負っているなかで、患者や家族が、こうした多様な選択肢を(でも限りある医療資源のなかで)、納得する形で乗り越えていくためには、充分な情報が必須でしょう。
 そこでQLifeでは2010年、2011年と2回にわたり、実態把握を目的に調査を実施。「がん情報不足感は、治療法選択時の医師からの情報提供の内容・量・姿勢に、影響を受ける」という仮説を導き出しました。そして2012年の第3回調査では、引き続き「情報不足感の実態」を調べるとともに、前出の仮説を検証するために、「医師からの治療法の説明」ならびに治療法の「良い/悪い説明の仕方」について調査を行いました。その結果概要をご紹介します。

2012年度版 調査結果の概要

実施概要

  1. 調査名称:がん情報の入手・利用に関する実態調査
  2. 調査対象:がん調査の呼びかけに応えたQLife会員ならびにその他の一般生活者
  3. 有効回答数:2,210人(がん患者・家族以外は集計対象外とした)
  4. 調査方法:インターネット調査
  5. 調査時期:2012/8/1 ~2012/8/24

※本調査は、厚生労働科学研究班『国民のがん情報不足感の解消に向けた「患者視点情報」のデータベース構築とその活用・影響に関する研究』の一環として行われ、当班の代表者である中山健夫・京都大学大学院教授に監修を受けたものである。

調査結果の概要

  1. 「がん情報不足感」「“患者視点の”がん情報不足感」の実態について
    • 「がん情報不足感」があるのは、患者本人45%、家族66%と、後者に多い
    • 男性より女性の方が、高齢より若年の方が、「がん情報不足感」の訴えが多い
    • 単に「がん情報」と訊くより、「患者視点のがん情報」と訊いた時の方が、不足感は強まる
    • 「最近改善した患者視点情報」もあるとされ、改善事由の多くはインターネットに依存している
  2. 治療法決定時の「医師からの説明」「自分で調べる」実態について
    • 「その他の選択肢」の説明を受けたのは6割
    • 「その他の選択肢」の説明をする医師の大半は、自ら進んでする
    • 根拠情報を示されたのは8割弱
    • 治療のデメリットは8割のケースで説明される
    • 医師説明の前後に、自分でも調べる患者・家族は6割。特に患者本人は3割が医師説明前に調べ済み
    • 医師が「自分での調べ方」をアドバイスするケースは、3割
    • 治療法説明時に「それが標準療法か否か」を知りたいのは、9割
    • 治療法決定時に、納得していたのは、9割
    • 「良い説明」の最大公約数モデルは、“患者視点で、デメリット面も、丁寧・詳細に、納得感をみながら”
    • 「悪い説明」の最大公約数モデルは、“医師・病院視点で、デメリットには触れず、詳細さや納得感に乏しく、不安を残す”
  3. 「がん情報不足感」と「治療法決定時の情報獲得」との関係性について
    • 「医師からの説明のされ方」に、あとあとまでの「情報不足感」が強く影響を受けている
    • 「自分自身で調べたか否か」は、「情報不足感」と関係性が弱い
    • 治療法決定時の「納得感」と、「情報不足感」は強く関係する
  4. 「見通しが厳しい」告知時に望むことについて
    • 「生存率など数字をありのまま伝えて」が7割、ただし「厳しい見込みは伝えないで」も3%存在
    • 女性は男性より柔らかい表現を望む人が若干多いが、年代・治療段階別パターンはない
    • 医師に「表現」「態度」面での配慮を望む人が多いが、「配慮は無用」も2割
    • 望む「配慮」内容に、正反対のものも多い

 (※クリックで拡大します)

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2011年度版 調査結果の概要

  1. 約半数が「がんに関する情報が不足」と感じている。最も欲しい情報は「治療」に関するもの
  2. 「治療法の選択」において、本人と家族とでは、納得度に大きな違いがある。治療選択における重要なキーワードは「信頼」と「説明」
  3. より幅広い情報チャネルとより個別性の高い情報を求めているが「先進医療」「標準治療/標準療法」についての認知・理解は乏しい
  4. 大多数が患者会に対して具体的イメージを持ち合わせていない可能性がある。参加者は「メンタル上の効果」を求めている一方、非参加者はカルチャーが変われば参加する可能性を示唆している

2010年度版 調査結果の概要

  1. がん情報の“物理的”な充足/不足状況は、曖昧・非論理的で、実態は混とんとしている
  2. 情報の“物理的”な不足が生じる原因は、特定の因子ではない (「情報が非存在」「未充実(質/量不足)」「未整理(散在)」「アクセシビリティ」「当人事情 (面倒、苦痛等)」の5因子がほぼ同等に影響しており、特定のボトルネックはない)
  3. 「患者視点の情報とは何か」を“物理的”に定義することは困難で、多分に感情的なものである可能性が高い