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治療方針の決定|更新日:2013/07/16[火]

発生場所や進行度から治療方針を決定

 早期なら90%以上、リンパ節転移があっても70%以上が根治する大腸がん。高度な検査と診断技術が日本の治療水準を支える。

年々増加する大腸がん、罹患者数では第2位

 大腸がんになる人は、男女とも年々、増えており、20年前の2倍以上にも上ります。現在では毎年、約10万人以上の人が大腸がんと診断され、4万人以上の人が命を落としています。
 がんの種類ごとの罹患(りかん)率を男女別にみると、男性は胃がん、肺がんに次いで3位、女性は乳がんに次いで2位になっています。死亡率は、男性で3位(1位は肺がん、2位が胃がん)、女性では1位です。男女比は、男性に多く、男性の罹患率は女性の約1.4倍に上ります。
 大腸がんの発症は40~50歳代から増えはじめ、年齢が上がるとともに発症率は高くなっていきます。
 ただ、最近は20歳代、30歳代という若さで発症するケースもみられるようになり、また、女性の患者さんも増えてきているので、若いから、あるいは女性だからといって安心はできません。

大腸がんは胃がんに次いで多いがん/大腸がんの死亡者数は年々増えている

検診率の低さが発見の遅れ、死亡率の増加につながっている

 大腸がんは根治率の高いがんであるにもかかわらず、死亡率が高くなっています。その理由は、ひとえに発見の遅れにあります。あとで詳述しますが、がんはある程度進行しないと症状が現れないことに加え、大腸がん検診や、検診で異常があった場合の精密検査の受診率の低さによるところも大きいでしょう。
 特に女性は、肛門(こうもん)から内視鏡を入れる内視鏡検査は恥ずかしいとためらいがちです。そのため、症状があっても検査を受けず、発見が遅れるケースもあります。

大腸がん予防にはアルコールを控え、運動を

 わが国で大腸がんの患者が増えてきた背景に、「食の欧米化」があるということは、以前から指摘されていました。しかし、実際に、どの要素が関係しているのかについては、なかなか特定されませんでした。
 最近、その根拠となる食生活や運動と大腸がんの関連について、いくつかの調査研究が報告されています。それらから、アルコールの摂取は、大腸がんの危険因子で、運動が大腸がんの予防につながるということがわかってきました。
 特に飲酒は、まったく飲まない人より、毎日一定量以上飲む人のほうがリスクが3倍になるというデータがあります。1日ワイン2杯、あるいはビール大びん1本を超えると、大腸がんのリスクが高まるという報告もあります。これは女性より男性のほうが顕著です。太り過ぎや脂肪の過剰摂取も、注意が必要であるとする報告もあります。
 また、喫煙については、直腸がんで、特に男性で発症リスクが高まることがわかってきました。
 一方、便秘については、今のところ因果関係を示すデータが出ていません。
 このほか、家族に大腸がんの人がいると、リスクが高くなります。まれに家族性の大腸がん(家族性大腸腺腫(せんしゅ)症・遺伝性非ポリポーシス大腸がん。)もあるので、心当たりのある方は、定期的に検診を受けることが大切です。
 また、潰瘍(かいよう)性大腸炎やクローン病などといった炎症性腸疾患を患っている人も大腸がんのリスクが高くなります。

飲酒は大腸がんリスクを高める運動不足は大腸がんリスクを高める喫煙は直腸がんのリスクとなりうる

●大腸がんのリスク要因
飲酒
喫煙
運動不足
肥満(過体重)
遺伝(大腸がんの家族歴がある)
炎症性腸疾患の既往歴がある

遺伝性・家族性の大腸がんは定期的な検診が不可欠

 大腸がんには、生まれつきの遺伝子の変異が発がんに関係するタイプがあり、その代表的なものが、家族性大腸腺腫症と遺伝性非ポリポーシス大腸がんです。
 家族性大腸腺腫症は、ポリープを多発するタイプで、通常、若年(10~20歳代)から大腸に100個以上のポリープがみつかった場合にこの病気と診断されます。これらのポリープの一部は、放置するとほぼ全例ががん化するため、予防的に大腸全摘術を行うのが一般的です。
 一方、遺伝性非ポリポーシス大腸がんは、がんそのものの性質は通常の大腸がんと大きな差はみられず、家族に大腸がんの人がいる(家族歴がある)かどうかや発症年齢(50歳より若年で発症する)、がんの部位(右側に多い)、ほかの関連するがん(子宮体がん、小腸がん、腎(じん)うがんなど)が重複していないか、などから診断されます。
 家族歴がある人は、内視鏡検査を定期的に行い、治療のタイミングを逃さないことが大切です。

(名医が語る最新・最良の治療 大腸がん 2012年6月26日初版発行)

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