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肝臓がんの治療方針(日本大学医学部高山忠利先生) 1/3ページ

肝臓がんの治療法を選ぶ前に|更新日:2013/08/16[金]

肝臓がんの治療方針

体内で最も大きく血管が豊富な臓器

 肝臓は、体の中で最も大きな臓器で、大人では重さ1,000gほど(一般的に、体重×20g)になります。右の上腹部に位置し、肋骨(ろっこつ)に守られていて、上は横隔膜、下は胃や十二指腸に接しています。解剖学的には、肝鎌状(かまじょう)間膜を境に左右に分けられていますが、手術など実際の治療にあたっては、カントリー線(中央線)と呼ばれる、下大静脈と胆のうを結ぶラインで分け、左を左葉(さよう)、右を右葉(うよう)としています。
 肝臓はまた、「血の固まりでできている」といわれるほど、血液が大変豊富な臓器です。
 肝臓の血管としては、消化管から送られてきた血液を集めた「門脈」、肝臓に栄養や酸素を送る「肝動脈」、肝臓から流出する血液を心臓に送る「肝静脈」という太い血管が3本あり、それらの血管から枝分かれした毛細血管が無数に張り巡らされています。
 この血管の多さが、肝臓がんの手術を難しくするところです。
 このように肝臓に多くの血管が存在するのは、代謝や解毒などにかかわる多くの役目を担っているからです。その役割は500以上にも上るといわれており、肝臓は「化学工場」にたとえられます。

肝臓の構造

切り取っても再生できる臓器

 もう一つ、ほかの臓器にはない肝臓の大きな特徴は、一部を切り取っても再び成長する、つまり再生が可能な臓器であるということです。
 肝機能のよい人であれば、肝臓全体の3分の2を切除してももとの大きさの90%ほどまでは再生することが可能です。この驚異的な再生能力があるからこそ、肝臓ではドナーから肝臓を移植する、生体肝移植という治療法ができるのです。ただし、肝炎などで肝機能が低下するほど、再生能力が落ち、肝硬変になると、再生はほとんど不可能です。

治療の特徴

 肝臓がんは再発しやすいのが特徴です。
 再発のたびに治療をくり返し、がんの進行に伴って治療手段も変わります。

1年以内に再発する割合は25~30%

 肝臓がんの多くは肝炎から発生します。肝炎の定期的な検査を受けていれば、早期に発見することができるがんであり、それが一つの特徴です。
 肝臓がんは、また、再発する可能性の高いがんでもあります。できたがんを治療しても、別のところからまた、がんが出てくることがあります。
 手術(肝切除)をした患者さんが1年以内に再発する率は25~30%。5年以内なら70~80%となり、ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法などの局所療法ではその割合がさらに高くなります。
 このため、肝臓がんの治療は「モグラたたき」にたとえられ、出たらたたく、をくり返すことになります。何度も治療をしなければならないのは、患者さんにとってつらいことですが、見方を変えれば、再発してもさまざまな治療手段があるということを示しています。
 ここが肝臓がんとほかのがんとが大きく異なるところで、患者さんはあきらめずに根気よく治療を続けることが大切です。

●肝臓がんの特徴
・男性、西日本に多くみられる
・B型、C型肝炎ウイルス保持者に多く発症する
・60~70歳代に多く、80歳代以降は減少
・定期検診で早期発見が可能
・肝炎ウイルス以外の原因も増えている
・再発をくり返す

進行すれば、がんが血管に入り肝臓内に拡散する

 肝臓がんは、肝臓内での転移が多いのが特徴で、肝臓からほかの臓器へがんが転移する遠隔転移や、リンパ節転移はあまり多くありません。
 がんが進行すると門脈腫瘍(もんみゃくしゅよう)栓がおこり、治療も難しくなります。がん細胞が、肝臓に血液を送る血管である門脈に広がって血管を詰まらせることもあります。これが門脈腫瘍栓と呼ばれる状態です。
 通常、肝臓がんは厚い被膜(ひまく)に覆われていて、がんの成長に応じて被膜も広がっていきます。ところが、なかにはこの被膜を破って血管内に入り込む場合があります。がんが血液に乗って散らばるので、その血管の血流の下流で再発がおこりやすくなります。
 門脈腫瘍栓があると、手術はできない場合が多く、治療の選択肢が限られてきます。やはり、できるだけ早期発見が望ましいといえます。

肝臓の位置

(名医が語る最新・最良の治療 肝臓がん 2012年12月25日初版発行)

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