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罹患者が少ないがんを、「希少がん」と呼ぶことがあります。患者さんの数が少ないと、その病気の情報も少なくなりがちで、医療従事者でさえ認識不足に陥ることがあります。
ここではその代表例として、GIST(消化管間質腫瘍)を採り上げていきましょう。胃などに出来るがんですが、通常の胃がんとは発生原因などが異なるため、検査や治療方法にも違いがあります。
GISTとは、どんながん?
GIST(Gastrointestinal stromal tumor:消化管間質腫瘍または消化管間葉系腫瘍)は、10万人に1~2人※1という稀ながんです。胃がんなど消化器がんの多くは、消化管の粘膜から発生しますが、GISTは粘膜の下(つまり外側)にある「筋肉層」(筋層とも呼ばれます)から発生します。日本では胃から発生するケースが50-70%と圧倒的に多い※1のですが、小腸や大腸など消化管ならどこでも発生する可能性があります。通常の消化器がんとは性質が異なるので、治療方法も異なり、区別して対処する必要があります。
※1:日本癌治療学会『GIST診療ガイドライン-2010年11月改訂【第2版補訂版】-』
どんな症状なの?
胃がんや大腸がんなどの通常の消化器がんに比べて、周囲の正常な組織へと腫瘍が浸潤(しんじゅん)していくことがあまりありません。そのため腫瘍が大きくなるまで無自覚であることが多く、発見が遅れがちです。腫瘍が大きくなってから多く見られる症状としては出血や腹痛、腹部のしこりなどがありますが、いずれにしても症状からGISTを発見することは困難です。癌検診でのX線造影検査(いわゆるバリウム検査)や内視鏡検査などで見つかることが大半です。
なぜ起きるの?
消化管の筋肉層には、ICC(カハール介在細胞)という細胞があります。食べ物が胃から肛門に向かって徐々に押し出されるのは、消化管の筋肉が動くからですが、筋肉を動かす号令をかけているのがこの細胞です。細胞なので細胞分裂をして増えるのですが、このICCが勝手に暴走して増殖してしまう病気がGISTです。
なぜ暴走するかというと、ICCのなかに含まれるKIT(キット)という蛋白に異常が生じるからです。正常なKIT蛋白は、私たちの体が発する「増殖指令」をICCに伝えてICCの細胞分裂を引き起こす、いわば伝令役に過ぎません。ところが指令がないのに勝手に増殖を起こさせてしまうことがごく稀にあります。するとこの「増殖指令を勝手に出すKIT蛋白を含んだ細胞」は異常なスピードで自らの増殖を続けてしまい、やがてこれが悪性腫瘍となるのです。
どうやって検査するの?
CTやMRIによる診断が一般的には多く、また腫瘍の大きさを見る時などに有用※2とされています。最終的な確定は、「超音波内視鏡ガイド下穿刺生検(せんしせいけん)」など、腫瘍部分の組織を少し採って直接これを検査する方法で行われ、前述のKIT(キット)蛋白が確認できればGISTと診断されます。ただし5%以下※2ですがKITが陰性のGISTも存在します。
※2:日本癌治療学会『GIST診療ガイドライン-2010年11月改訂【第2版補訂版】-』
どうやって治療するの?
腫瘍が小さく、かつ悪性と見なされない場合は、経過観察して良いのですが、治療する場合は、基本的には外科手術です。大きさや場所などによって開腹手術か腹腔鏡下手術かを選択し、腫瘍を切除します。ただし再発・転移した場合や、手術ができない場合は、薬による治療を検討します。具体的にはイマチニブ(グリベック)ですが、イマチニブ抵抗性のGISTには、スニチニブ(スーテント)が用いられます。両薬剤とも分子標的薬と呼ばれるタイプで、通常の抗がん剤のようにがん細胞を殺そうとする薬ではなく、前述のKIT蛋白の働きを分子レベルで阻害することで、腫瘍の成長を抑えようとするものです。
個別の治療方針は、各ステップにおいて主治医と患者さんとの間で話し合って、さまざまな状況を見ながら総合的に決めるものです。いずれにしても珍しいタイプのがんですから、専門のドクターに相談することが重要となります。
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今癌の治療中なので参考になる
一言感想 | 2012.02.17 4:04 PM