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どう使うか、免疫チェックポイント阻害剤の課題と今後の展望

ニュース・トピックス|更新日:2016/12/20[火]

注目の高い免疫チェックポイント阻害剤をテーマとしたセミナー開催


慶應義塾大学医学部医学研究科委員長
先端医療科学研究所教授の河上裕先生

 免疫チェックポイント阻害剤は、従来の抗がん薬とはことなり、がん治療に大きな変化をもたらす治療法として注目されています。その一方で効果がある患者さんは限られていることから、どんな患者さんに効果があるかを特定するバイオマーカーの開発やさらなる治療薬の開発など課題もあります。

 2015年から開催されているアストラゼネカ・オンコロジー・メディアセミナーは、オンコロジー領域(がん領域)で注目度の高いテーマをトピックにして開催。第5回目のテーマは、今注目の免疫チェックポイント阻害剤を基礎から理解するため、慶應義塾大学医学部医学研究科委員長 先端医療科学研究所教授の河上裕先生を招き、講演が行われました。

新時代を迎えたがん免疫療法の今後の課題は、個別化と併用

 ヒトには、細菌やウイルス、がん細胞など異物から自己を守るために免疫というシステムがあります。免疫細胞は異物を攻撃して自己を守りますが、攻撃をしすぎないように自らブレーキをかけるシステムも備えており、暴走しないようにバランスをとっています。がん細胞は、このブレーキ機能を逆手にとって、免疫細胞の攻撃から隠れ逃れようとします。免疫チェックポイント阻害剤は、がん細胞が免疫細胞から隠れられないようにして攻撃をする薬で、がん治療に大きな変化をもたらす新たな治療法として注目されています。

 その一方で、免疫チェックポイント阻害剤には医療経済課題、がん種による効果の違い、バイオマーカーの探索、他の抗がん剤との併用やすみわけといった課題もあります。バイオマーカーに関しては、現状PD-L1が臨床で使用されている唯一のバイオマーカーですが、PD-L1陰性でも治療効果が見られる場合もあり、まだ患者さんの選定に利用できません。がん種や免疫療法によってバイオマーカーは異なるため、別のバイオマーカーも必要であり、複数の組み合わせによる精度向上が期待されています。また他剤との併用では、突然変異が多く分子標的薬が使える場合は、積極的に併用し、突然変異が少なくT細胞応答も不可の場合は、分子標的薬を第1選択とし、T細胞養子免疫療法との併用をするなど個別化治療が大切だといわれます。T細胞養子免疫療法とは、がん特異的な抗原を認識するように遺伝子組み換え、攻撃性を高めたT細胞を試験管内で培養し投与する治療法です。

 「免疫チェックポイント阻害剤やT細胞を用いた養子免疫療法など、がん免疫療法は標準治療の仲間入りをしました。効果が認められる症例では、長期延命が期待できます。効果が期待できる症例を治療前や治療早期に選択できるバイオマーカーの同定、抗腫瘍免疫ネットワークを総合的に制御する複合免疫療法の開発も進められています。さらに患者さんの免疫状態に応じた個別化免疫療法の構築も進んでいます」と河上先生はいいます。

 どのようながんに、どこまで効果があるのか?効果が期待できない症例をどこまで状態に変えられるか?まだまだ課題や疑問点も多い中、産官学が連携した臨床試験による新たな免疫病態の解明が期待されます。(QLifeがん編集部)

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