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2015年ここが変わる!肺癌診療ガイドラインのポイントとは

ニュース・トピックス|更新日:2015/12/18[金]

アファチニブ発売後1年半が経過。実臨床に基づいたセミナー開催


和歌山県立医科大学呼吸器内科・腫瘍内科教授
山本信之先生

 毎年10万人が新たに診断され年間72,000人が亡くなっている肺がんは、部位別のがん死亡数でも第1位です。非小細胞肺がんに対する分子標的薬の第1世代として2002年にゲフィチニブが、続いて2004年にエルロチニブが承認されたことで、治療選択肢も増え治療成績も向上。2014年には第2世代のEGFR-TKIとして、不可逆的ErbBファミリー阻害剤「ジオトリフ」(一般名:アファチニブマレイン酸塩)が発売されました。発売後1年半が経過し、実臨床でどのようにアファチニブが使われ、非小細胞肺がんの治療がどう変化しているのか、「新しい肺癌診療ガイドライン2015年版の改訂ポイントとは?」と題したメディアセミナーを日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社が12月14日に開催。和歌山県立医科大学呼吸器内科・腫瘍内科教授で日本肺癌学会ガイドライン検討委員会の委員長でもある山本信之先生を招き「実臨床におけるアファチニブの位置づけやEGFR-TKIの使い分けについての講演が行われました。

頻回なガイドライン改訂の背景。相次ぎ報告された治療成績を大きく向上させたデータ

 2003年にEBM(Evidence-Based Medicine)の手法による肺癌診療ガイドラインの策定に関する研究班が国の要請により立ち上がり、2005年から日本肺癌学会が肺癌診療ガイドラインを作成。2010年版は、日本肺癌学会のホームページ上で公開されました。2012年以降は、毎年改訂が行われ、2014年には年に2回も改訂されています。

 「年を追うごとにガイドラインの改訂が頻回に行われるようになった一番の理由は、肺がんに対する有効な薬剤が承認され、肺がん患者さんの治療成績を大きく向上させたデータが相次いででてきたためです」と山本先生はいいます。

 IV期非小細胞肺がん初回化学療法の2012年から2014年の肺癌診療ガイドラインを比較してみると、2012年は肺がんの抗がん剤治療の骨格を決める意味で大きな年だったことがわかります。推奨グレードがABCDの4段階から5段階(CがC1とC2に分けられた)になり、遺伝子変異に基づいた治療方法が推奨されるようになったからです。次の大きな変化があったのが2014年です。2013年までは、IV期の非小細胞肺がんでALKやEGFR遺伝子変異のある患者さんに対する初回治療は、EGFR-TKIやALK-TKIによる治療とプラチナ併用が同じ推奨度でしたが、2014年からはEGFR-TKIとALK-TKIの推奨度をA、プラチナ併用をBとして差がつけられました。

 2015年版では、IV期非小細胞肺がんの非扁平上皮がんでALK遺伝子転座陽性の患者さんに対する1次治療に新たなALK-TKIが推奨度C1として追加される予定です。第1、2相試験で奏効率や無増悪生存期間で有効性が示されましたが、科学的根拠は十分ではないが、行うことを考慮してもよいとされるC1とされました。この背景は、既存のALK-TKIであるクリゾチニブの治療歴がある患者さんに対する2次治療として新たなALK-TKIであるアレクチニブが高い奏効率を示した研究報告でしたが、研究のエビデンスレベルが低く従来の文献採用基準では取り上げない内容でした。しかし、示された効果は他の2次治療選択肢ではなし得ないためガイドラインに採用されました。今後前向き試験のデータで確認が必要とされています。

 今後1年間の肺がん診療に大きく影響する出来事として山本先生は次の7項目を上げました。免疫チェックポイント阻害剤やVEGFをターゲットとしたラムシルマブの適応拡大。第3世代EGFR-TKIと第2世代ALK-TKIの承認。アファチニブとゲフィチニブを比較した臨床試験LUX-Lung7とアレクチニブとクリゾチニブを比較した臨床試験JALEXの結果発表。これら薬剤イベントにプラス、新規のTNM分類の7項目です。

 ガイドラインが改訂されるということは、それだけ科学的根拠に基づいた新たな治療選択肢のデータが示されたということです。患者さんが最善の治療を受けるためにも速やかな改訂は必要でしょう。(QLifeがん編集部)

※EBM:科学的根拠に基づいた現在最も信頼できる情報を踏まえた患者さんにとって最善の治療のこと

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