出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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自己免疫性溶血性貧血
じこめんえきせいようけつせいひんけつ

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自己免疫性溶血性貧血とは?

どんな病気か

 後天性溶血性貧血の代表格で、抗赤血球自己抗体によって赤血球が破壊されて起こります。抗体の免疫学的性状によって大きく温式と冷式に分かれます。

原因は何か

 先行する感染(ウイルス、マイコプラズマ)、膠原病、悪性腫瘍、薬物などが原因になります。

症状の現れ方

 貧血、黄疸、脾腫に加えて、血小板減少を伴う病態もあります(エバンス症候群)。基礎疾患の症状も伴います。冷式抗体による寒冷凝集素症と発作性寒冷ヘモグロビン尿症では、寒さにあたると溶血が悪化することがあります。

検査と診断

 貧血、高ビリルビン血症のほかに、クームス試験陽性、血清寒冷凝集素価上昇、ドナス・ランドスタイナー抗体陽性が問題になります(図37図37 自己免疫性溶血性貧血の診断手順)。

図37 自己免疫性溶血性貧血の診断手順

治療の方法

 診断を確実にしたあとで、ステロイド療法、脾臓摘出、免疫抑制薬の使用が考えられます。

自己免疫性溶血性貧血と関連する症状・病気

(執筆者:聖路加国際病院副院長・小児科部長 細谷 亮太)

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