出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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便秘が続く
べんぴがつづく

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便秘が続くとは?

どのような状態か

 便秘とは食べ物が腸内に長期間とどまり、水分が吸収されて排便が困難になる状態を指します。3日以上便通のない状態を便秘ということが多いのですが、残便感がなく排便後にすっきりとした満足感があるかどうかが重要です。

必要な検査と疑われる病気

 便秘は、何らかの病気が原因で起こる器質性便秘と、大腸の機能異常による機能性便秘の2つに大別されます。器質性便秘のなかで最も注意が必要なのは大腸がんで、40歳以上で便秘のある人は、一度大腸の検査を受けてください。

 全身性の病気や医薬品(胃腸薬、精神安定薬、降圧薬など)の副作用によって便秘になる場合もあります。糖尿病の悪化や甲状腺ホルモンの低下でも便秘になりますが、いずれも血液検査で診断が可能です。便秘のほかに、疲れやすい、意欲がわかない、夜眠れないなどの症状が続けば、うつ病も考えるべきです。

家庭での対処のしかた

①繊維質の多い食事を規則正しくとり、水分を多めにとること。

②規則正しい排便習慣をつけること。早朝に冷たい水や牛乳を飲むのもよい方法です。

③便意があったら、がまんしないこと。

④排便には腹筋による圧力が必要なので、適度の運動を行って腹筋を強化すること。へそのあたりに両手を重ね、「の」の字を書くように腹部をマッサージするのも効果的です。

⑤ストレスが原因と思われる時は、気持ちをリラックスさせる工夫も必要です。入浴は、腹部を温めて副交感神経を刺激し、精神的にもリラックスできるので便通をよくします。

 以上のことを実行しても効果が現れない時には、薬物療法が行われます。

 下剤をずっと使っていると、体内のカリウムイオンが減り、筋力が低下します。排便に必要な腹筋の筋力や腸の運動能も低下し、便秘はますますひどくなります。市販の便秘薬は、作用の強さやはたらき、習慣性などの点でさまざまなタイプがあるので、使用する際は薬剤師に相談して自分の状態に合ったものを選んでください。とくに、腸の蠕動運動を刺激するセンナ系の下剤は、常用すると次第に腸の運動能を低下させてしまうので、生活改善を行いながら補助的に使用するようにしましょう。

(執筆者:関西電力病院緩和医療科部長 梶山 徹)

便秘症に関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、便秘症に関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

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