出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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心サルコイドーシス
しんさるこいどーしす

心サルコイドーシスとは?

どんな病気か

 サルコイドーシスは、全身のいろいろな臓器に肉芽腫という炎症性の病変が生じて障害を起こす原因不明の病気です。肺や眼の病気として知られていますが、心臓にも肉芽腫ができて心臓のはたらきを邪魔することがあります。

症状の現れ方

 この病気に合併する不整脈や心機能障害による症状が出現します。重篤な徐脈性、もしくは頻脈性の不整脈のために、意識を失う発作を起こすことがあります。また、心筋の収縮力低下により心不全が生じると、息苦しさや動悸、むくみといった自覚症状がみられます。

検査と診断

 この病気にかかっているほとんどの患者さんで、心電図検査の異常がみられます。心サルコイドーシスが疑われる場合、胸部単純X線検査やCTで「両側肺門リンパ節腫脹」や「縦隔リンパ節腫脹」という肺サルコイドーシスに特徴的な所見の有無が診断の手掛かりになることがあります。心エコー検査でみられる「心室中隔基部の菲薄化(薄くなること)」という所見は、この病気に特異的な異常所見です。

 ガリウムシンチグラフィなどのラジオアイソトープ検査もこの病気の診断に有用ですし、必要のある場合はカテーテルを用いた心筋生検が行われます。不整脈の有無を調べるための24時間心電図検査も重要な検査です。

治療の方法

 心サルコイドーシスの活動期には、炎症を抑えるためにステロイドホルモン薬を服用しますが、最初は1日6錠から飲み始めて2~4週ごとに1錠ずつ減量し、1日1~2錠の維持量にもっていく漸減投与法が一般的です。

 完全房室ブロックをはじめとする高度の徐脈が認められる場合は、ペースメーカーの植え込みが必要になります。心室頻拍などの頻脈性の不整脈が認められる場合には、抗不整脈薬やアブレーション(焼灼術)といった治療法が考えられますが、突然死の危険があると判断された場合には、ペースメーカーに似た植え込み型除細動器という機械の植え込みが必要です。

(執筆者:ニュージャージー医科大学心臓血管研究所研究員 前嶋 康浩)

サルコイドーシスに関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、サルコイドーシスに関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

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