強直性脊椎炎
きょうちょくせいせきついえん
- 整形外科
- 診療に適した科
強直性脊椎炎とは?
どんな病気か
脊椎の靭帯・腱が骨に付着する部分や椎間板が椎体に付着する部分、椎間関節の炎症により、脊柱の椎体間に癒合が生じて脊柱の運動制限を来す病気です。欧米人に比べて日本人には少なく、男性に多く、家族内での発生が多いとされています。
原因は何か
リウマトイド因子が陰性の関節疾患である血清反応陰性脊椎関節症のひとつですが、原因は明らかになっていません。近年、強直性脊椎炎とHLA-B27というヒト白血球抗原との間に密接な関係があるといわれています。
症状の現れ方
通常、仙腸関節炎による腰痛、臀部痛、腰背部のこわばり感などの症状から始まります。症状の進行とともに胸椎の椎体と肋骨も骨癒合するため、深呼吸時の胸部痛が現れます。その他、股関節、膝関節、アキレス腱部の痛みが出る場合もあります。
最終的には、脊椎全体が強直するため脊椎の動きが失われます。
検査と診断
単純X線写真における最初の変化は仙腸関節に生じることが多く、骨硬化像、関節裂隙(関節のすきま)の狭小化がみられ、最終的には骨性に癒合します。
脊柱の変化はまず腰椎に生じ、椎体の前面部が直線化し、椎間板腔の狭小化、前縦靱帯の骨化や骨棘形成による椎体間の架橋が形成されます。最終的には椎体はお互いに竹筒状になり、強直が完成します。これを竹様脊柱(bamboo spine)といいます。
また、血液検査ではHLA-B27が陽性になり、CRPという炎症反応が陽性になりますが、リウマトイド因子が陰性であることが特徴です。
治療の方法
この病気に対する根本的な治療法はありません。脊柱が変形することを予防するため、正しい姿勢を維持することに注意し、脊柱や股関節などの四肢関節の可動性を保つための運動療法を行います。
薬物療法として非ステロイド性の抗炎症薬も投与されますが、根本的な治療薬ではなく、対症療法に過ぎません。
脊柱の変形が進み、後弯変形が高度になった場合には、脊柱の骨切り術を行うこともあります。
病気に気づいたらどうする
整形外科を受診し、画像検査や血液検査で確定診断をつけます。強直性脊椎炎と診断された場合、竹様脊柱のような末期の状態にならないよう早期に治療を開始することがすすめられます。
脊椎炎に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、脊椎炎に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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セフメタゾールナトリウム静注用0.5g「日医工」
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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ソル・コーテフ注射用100mg[注射剤]
副腎ホルモン剤
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ミノサイクリン塩酸塩点滴静注用100mg「サワイ」 ジェネリック
主としてグラム陽性・陰性菌,リケッチア,クラミジアに作用するもの
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水溶性プレドニン10mg
副腎ホルモン剤
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プレドニゾロン錠1mg(旭化成)
副腎ホルモン剤
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アスピリン「ケンエー」
解熱鎮痛消炎剤
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ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0.4mL
他に分類されない代謝性医薬品
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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