原発性硬化性胆管炎
げんぱつせいこうかせいたんかんえん
原発性硬化性胆管炎とは?
どんな病気か
原発性硬化性胆管炎は、慢性の炎症で胆管が細くなってしまい、胆汁の流れが滞り、肝臓への負担が持続することで最終的に肝硬変から肝不全になってしまう病気です。国の難病対策として制定されている特定疾患となっています。
国内の患者数は約1200人と推定されています。男女比は6対4で、20代と60代で発症する方が多く、若年発症では潰瘍性大腸炎を37%に合併します。また胆管がんが約10%に発症します。
原因は何か
原因としては免疫反応異常によって起こると考えられていますが、詳細はわかっていません。
症状の現れ方
初期には大多数が無症状で、血液検査で肝機能異常を指摘されることで気づくことがあります。進行すると、黄疸、かゆみ、疲労感、体重減少、発熱などの症状が出ます。さらに肝臓や脾臓がはれ、腹水などが出現し、最終的には診断後10~15年で死に至ります。
検査と診断
血液検査では、アルカリホスファターゼ値やビリルビン値の上昇がないか調べます。MRI画像で胆管の全体像をとらえ、診断の助けとします。さらに直接胆管を造影して、胆管が数珠状に狭窄していないかを調べます。また、体の外から肝臓に針を刺して組織を採り、肝臓内の胆管に特徴的な変化が出ていないか顕微鏡で調べます。
治療の方法
内科治療としては、ウルソデオキシコール酸やベザフィブラートの投薬により、アルカリホスファターゼ値などの改善を認めます。内視鏡治療として、胆管の狭窄に対して、狭窄を風船でふくらましたり、胆汁が流れるようにチューブを入れたりすることがあります。しかし患者数が少ないこともあり、これらの治療が生命予後を延長しているかどうかはわかっていません。
最終的に病気が進んだ場合には、救命手段は肝移植しかありません。肝移植の時期としては、肝不全のために頻回または長期の入院が必要で、余命が半年~1年と推定される時期が望ましいとされています。日本での肝移植後の5年生存率は75%です。
病気に気づいたらどうする
非常にめずらしい病気ですので、肝臓を専門としている施設での治療をおすすめします。
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