出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
すべて
病名
 × 

特発性血小板減少性紫斑病
とくはつせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう

  • 内科
  • 診療に適した科

もしかして... 鼻出血  内出血

つぶやく いいね! はてなブックマーク

特発性血小板減少性紫斑病とは?

どんな病気か

 明らかな基礎疾患や原因薬剤の関与もなく発症し、血小板数が減るため、さまざまな出血症状を引き起こす病気のことをいいます。慢性型と急性型とがあり、急性型は小児に多く、急激に発症します。一方、慢性型は20~40歳の女性に多く、徐々に発症します。

原因は何か

 血小板に対する自己抗体ができ、脾臓で血小板が破壊されるために、数が減ってしまうと推定されています。

症状の現れ方

 出血症状は紫斑(点状出血および斑状出血)が主で、歯肉出血、鼻出血、下血、血尿、月経過多などもみられます。関節内出血は認められません。出血症状を自覚していなくても血小板数の減少を指摘され、受診することもあります。

検査と診断

 以下の検査所見から診断します。

①血小板減少10万/mm3以下

②骨髄では骨髄巨核球の数は正常ないし増加

③血小板結合性免疫グロブリンG(PAIgG)の増加

治療の方法

 治療はまず副腎皮質ステロイド薬が使われ、血小板数や症状をみながら、徐々に減量していくのが一般的です。効果がない時には脾臓の摘出手術が行われます。それでも効果が不十分な場合は、免疫抑制薬などが使われます。

 小児に多くみられる急性型の大部分は自然に治ります。慢性型ではステロイド薬で治るのは20%で、脾臓を摘出した人の60~70%に改善がみられます。しかし、まれに頭蓋内出血で死亡することもあるため、激しい頭痛、吐き気、嘔吐などの症状が出たら、すぐに医師に連絡することが大切です。

病気に気づいたらどうする

 治療は個人で差があるので、必ず現在の自分の状況を小児科医もしくは内科医に説明して、適切な指示を受けてください。

(執筆者:三豊総合病院皮膚科医長 妹尾 明美)

特発性血小板減少性紫斑病に関連する検査を調べる

血小板減少症に関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、血小板減少症に関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

血小板減少症に関連する可能性がある薬をもっと見る

おすすめの記事

特発性血小板減少性紫斑病に関する医師Q&A