出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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稗粒腫
はいりゅうしゅ

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稗粒腫とは?

どんな病気か

 皮膚の表面付近にできる直径1~2mm以内の角質が入った袋です。顔面にしばしば発生し、白色の小さな粒のように見えます。

原因は何か

 毛穴の奥にある毛包という袋や、皮脂をつくる腺の未発達なものに角質がたまって生じます。また、皮膚がはがれるような疾患や傷の治ったあとにできるものは、汗を出す管の再生過程で管の先端がふさがって生じたものです。

症状の現れ方

 特別な原因がなく発生する原発性稗粒腫と、皮膚がはがれるような疾患や皮膚を削り取る手術後などに生じる続発性稗粒腫があります。

 原発性稗粒腫は小児や若い女性の顔面にみられます。いずれのタイプも、見た目は同じであり、直径1~2mm以内の半球状に隆起した、白色のしこりです(図76図76 稗粒腫)。

検査と診断

 見た目だけで診断できるので、検査は必要ありません。

治療の方法

 注射針の先などで皮膚を小さく切り開いて、内容である白色の球状物を押し出すか、あるいは針先を使って取り除きます。

病気に気づいたらどうする

 放っておいて問題ありません。気になって取り除きたい場合には、皮膚科を受診してください。

(執筆者:群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学准教授 田村 敦志)

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