出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
爪甲下角質増殖症
そうこうかかくしつぞうしょくしょう
爪甲下角質増殖症とは?
どんな病気か
爪の先端の爪床側の異常(不全角化という爪の成長異常)によって爪甲が爪床から押し上げられるとともに、押し上げられた爪甲が厚くなった状態であり、爪床と爪甲の間にはもろくなった爪が"粉(角質塊)"となって充満しています。
なお、本項では爪の解剖用語を用いるので、図104を参考にしてください。
原因は何か
多くは爪の水虫やその他の皮膚病(乾癬や指先の湿疹など)に伴う爪の二次的な変化として生じますが、ごくまれに先天性ないし遺伝性の爪甲下角質増殖症をみることもあります。また、爪甲下角質増殖症単独ではなく、爪甲剥離症や匙型爪甲と合併してみられることのほうが多いようです。
症状の現れ方
①爪の水虫
最も一般的にみられる爪甲下角質増殖症であり、著しい爪甲下角質増殖を呈します。また、第1趾(親指)の爪に生じることが多く、爪甲表面には爪の水虫の特徴のひとつである白いにごり(白濁)を認めます。
②乾癬
爪周囲に乾癬による皮膚病変を認めます。また、頭部、腰部、下腿前面などの好発部位にも乾癬特有の皮膚病変をみることが多いようです。
③指先の湿疹
多くは爪のふちの変化(爪廓炎)を伴います。また、爪のまわりには赤み(紅斑)やぶつぶつ(漿液性丘疹)などの湿疹性変化をみます。
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