かかりつけ医との連携でより高度な医療技術を提供する
[中部] 2013年6月03日 [月]
富山大学医学部付属病院
整形外科 診療教授・川口善治先生
富山医科薬科大学卒業。専門は脊椎脊髄病外科。日本整形外科学会認定整形外科専門医。日本整形外科学会脊椎脊髄病認定医。日本整形外科学会リウマチ認定医。日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄病認定医。
かかりつけ医との連携でより正確な診断を
「整形外科は痛みを持って受診される人がほとんどです。痛みの治療に際しては、必ずどのような痛みなのか、どこから起こっているのかを整理し、病態を把握することが最も大事なことです。
そのためにもまずはかかりつけ医を作っていただき、その先生に、今の状態を把握してもらい、どのような治療が必要なのかを検討していただくことが重要です」
専門医のほうが安心できるからぜひ診てもらいたいと最初から大学病院などでの受診を考えている人も少なくないでしょう。しかし、かかりつけ医とのダブルチェックを行うことでより正確な診断ができると川口先生は言います。
痛みを感じたら悪化する前にまず受診を
「以前、腰が痛いが何をしても治まらないと受診された50代の男性がいらっしゃいました。検査の結果、前立腺がんが腰に転移したことによって腰に痛みを感じてることがわかりました。このように痛みは怖い病気をはらんでいる可能性もあるのです」
先生の専門は脊椎脊髄に関わる疾患。腰部脊柱管狭窄症や腰椎変性すべり性、脊椎・脊髄の腫瘍などを専門に扱っています。
「先ほどの患者さんですが、マッサージなどを受けていて病院への受診が遅れてしまったことで転移が広がっていました。医師が診断を下した上で問題ないという場合はマッサージや整体に行っても構いませんが、この患者さんのように発見が遅れてしまうこともあります。だからこそまず痛みを感じたら病院を受診することが大事なのです」
共に病気と闘う姿勢が回復も早めてくれる
先生が患者さんと接する上で心がけていることは、まず第一にこのような怖い病気を見逃さないことだと言います。
「整形外科の疾患でも上記のように死につながる病気が隠れていることもありますので、見逃さないようにすることが専門医として第一の使命です。そして、痛みで苦しんでいる方がほとんどですから、それに対して共感し、共に戦う姿勢で臨むこと。患者さんも『治してもらおう』と他人任せになっていては治るものも治りづらくなります。だからこそ一緒に頑張る姿勢を持ってもらえれば、こちらも医者として最大限の努力をし、少しでも早くよくなる手助けをしたいと思っています」
富山大学医学部付属病院
公式サイト:http://www.hosp.u-toyama.ac.jp/guide/