首の痛みを伴う難病を見逃さず 適切な診断と治療を行う

[中部] 2013年10月08日 [火]

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福井大学医学部付属病院 整形外科・脊椎外科 副科長・准教授 内田研造先生

福井大学医学部付属病院
整形外科・脊椎外科 副科長・准教授 内田研造先生

福井医科大学医学部卒業。福井大学、英国キール大学、中国杭州中山大学脊椎外科客員教授などを経て現職。

首や肩の痛み以外の症状が出たら要注意

 「首や肩周辺の痛みの他に、上肢や足のしびれ、ふらつき、歩行困難、尿や便が出づらくなる膀胱障害や直腸障害を伴う場合は『後縦靱帯骨化(こうじゅうじんたいこっか)症』の疑いがあります」
 と、内田研造先生。「後縦靱帯骨化症」とは、首の後ろにある後縦靱帯が骨のように硬く大きくなってしまうことで、神経が圧迫され、知覚障害や運動障害などの神経障害を引き起こす疾患です。難病に指定されており、日本国内には2~3万人の患者さんがいると言われています。内田先生は、この疾患のエキスパートとして、北陸地方の中でも最も多い治療実績を誇っています。

50歳前後で発症する難病「後縦靱帯骨化症」とは

 「『後縦靱帯骨化症』は、50歳前後で発症することが多く、2:1の割合で男性に多いことが知られています。これまでの研究によって、遺伝が関係していることが明らかになっています。首や肩の痛みは、加齢と共に起こる『五十肩』や『頸椎症』と判断される場合が多いのですが、箸が持ちづらくなる、ワイシャツのボタンが留めづらくなるなどの細かい指の動作や、歩きづらさがあるなどの症状がある場合には、この疾患を疑います」
 先生によれば「後縦靱帯骨化症」の治療法は確立されており、早期発見ができれば、改善も見込まれると言います。
 「この疾患の治療法は、保存療法と手術療法とありますが、早期発見の場合は保存療法を行うことで、症状も軽減されることが多くあります」

糖尿病との合併が多く見過ごされる場合も

 この疾患は、糖尿病との合併が多く、見過ごされてしまう場合があると先生は言います。
 「この疾患の患者さんのうち、1~2割は糖尿病を合併します。そのため、体のしびれなども糖尿病から来るもの、と見過ごされてしまう場合があります。糖尿病の治療を行っていてもしびれが残ったり、運動障害の改善が見込めない場合は、一度整形外科を受診したほうがよいでしょう。特にこの疾患は、ちょっと転んだという程度でも四肢麻痺になってしまう可能性があります。ご自身の体に違和感を覚える場合は、自己判断せず、まずは診断を受けて適切な治療を行ってください」

福井大学医学部付属病院

福井大学医学部付属病院
公式サイト:http://www.hosp.u-fukui.ac.jp/index.html

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