自己判断で思わぬ弊害が出ることも。原因不明の腰痛にもしっかり対応

[九州・沖縄] 2013年10月04日 [金]

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公立学校共済組合九州中央病院 整形外科部長 有薗剛先生

公立学校共済組合九州中央病院
整形外科部長 有薗剛先生

九州大学医学部、九州大学大学院卒業。九州大学関連病院で研修後、米国・バイオメカニカルリサーチ研究所、九州大学医学部整形外科講師、宮崎病院整形外科医長などを経て現職。日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会リウマチ医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本脊椎脊髄学会指導医。

自己判断で思わぬ弊害が出る場合も

 「腰などの痛みが続く場合に自己判断で漠然と痛み止めを飲み続けると、消化管潰瘍や腎臓の障害など思わぬ副作用が起こることがあります。特に痛み止めに伴う潰瘍はひどくなるまで症状が出にくいため、我々の病院でも、痛み止めによる潰瘍からの出血で救急搬送される方が時々おられます。また、単なる腰痛でそのうち治ると考えていたら、実はがんの転移による骨折が起こっていたなど、大変な状態が見つかることもありますので、医療機関を受診して正確な診断を受けることが大事です」
 と、有薗先生。私たちは痛みがあった時、つい自己流の治療や口コミの治療方法を試したくなりますが、それに対しても問題があると先生は言います。
 「例えば『膝の水を抜くと癖になる』という話を信じてしまっている患者さんがいますが、水(関節液)が溜まるのは水を抜くからではなく、膝に問題が起き、関節液のできる量が吸収される量よりも多くなるためです。水が溜まった状態を放置するのは痛みを管理する上でも望ましくないことです。問題を大きくしないためにも、自己判断は禁物だということを覚えていてほしいですね」

痛みの原因を明らかにし、適切な治療を行う

 九州中央病院には、常勤の整形外科医が7名、うち脊椎を専門とする医師が3名います。そのため脊椎疾患の割合が多く、年間900例余りの手術件数のうち200例以上が脊椎疾患の手術です。また、脊椎以外にも膝、リウマチの専門医によってそれぞれの専門性を生かした診療が行われています。
 「外来に患者さんが来られたら、まず患者さんの話をよく聞いて痛みの状態を理解し、必要な検査を進めます。治療を考える上で原因を明らかにすることは非常に重要ですが、痛みの原因は身体の異常だけでなく、心因的要素や社会的背景などが大きな影響をもたらしている場合もあるので、こうしたことを患者さんに理解していただくこともとても大切なことだと思っています。その上で薬物治療、神経根ブロック等の注射、手術など、様々な治療の選択肢から最も適切な方法を選んでいきます」

原因がわからない腰痛に対してもしっかり対応

 「腰痛に関しては、8割程度が原因のわからない非特異的腰痛と言われています。現在では腰痛を単なる身体の異常ではなく、生物、社会、心理的問題の結果としてとらえるようになりました。以前は『腰痛がある時には安静が第一』と言われてきましたが、現在では動ける範囲で動いた方が心身の健康維持に重要だとされています。薬に関しても使えるお薬が増えて、痛み止め一辺倒から大きく変わりました。また、手術に関しても、なるべく身体に負担のかからない方法が定着するなど、痛みの治療は大きく変化しています。
 当院でも腰の神経が圧迫されて起こる腰部脊柱管狭窄症という状態の場合、できるだけ体に負担をかけないよう内視鏡等を用いた低侵襲手術を行っています。また、腰の骨を固定する場合にも小さな切開で行う最小侵襲脊椎安定術(MISt)という方法を行っています。出血量も少なく、手術の負担も少ないので、術後の回復も早いのが特長です。慢性的な痛みで悩んでおられる方は是非一度医療機関を受診してください」

公立学校共済組合九州中央病院

公立学校共済組合九州中央病院
公式サイト:http://kyushu-ctr-hsp.com/

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