痛みは体のアラームサイン。サインを見逃さず適切な治療を行う

[中国・四国] 2013年10月10日 [木]

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岡山大学付属病院 整形外科 准教授・田中雅人先生

岡山大学付属病院
整形外科 准教授・田中雅人先生

岡山大医学部卒業。岡山市立市民病院、国立病院機構岡山医療センターなどを経て、岡山大学病院整形外科講師。2010年より現職。日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会脊椎脊髄病医、日本脊椎脊髄病学会指導医、日本リハビリテーション学会臨床認定医。

全科協力のもと、確実な診断で痛みの原因を探る

 岡山大学病院は、中四国地区から広範囲に痛みの患者さんを受け入れている総合病院です。整形外科は、麻酔科の痛み専門外来(ペインセンター)との協力体制、そして難治性の痛みに関しては、整形外科、麻酔科、精神科、歯科、理学療法士、看護師などがチームとなって治療を行う痛みリエゾン外来(集学的痛み外来)を設け、あらゆる痛みに対しての治療を行っています。
 「ペインセンターは、急性期から慢性期まであらゆる痛みに対しての治療を行うところです。痛みが生じるメカニズムは非常に複雑で、整形外科の疾患だけでなく、多発性硬化症などの神経内科疾患、また強直性脊椎炎などの膠原病疾患、うつなどの精神科疾患、多種のがんなどの内科疾患を抱えていることも少なくありません。痛み自体は自覚症状で、客観的な評価やその痛みを周囲に伝えるのは難しいことですが、それゆえに、『納得のいく説明が受けられなかった』『治療者の態度が悪かった』などの不満を持つ原因となってしまいます。だからこそ当院では、全科協力のもとにまずは確実な診断を行い、それから治療を開始することをモットーにしています」

高度な手術体制を整えるなど、治療の選択肢も広がっている

 このような全科協力体制で、痛みの原因を突き止め整形外科の疾患が原因とわかった場合には、手術だけでなく、多様な治療方法の選択肢を提示し、それぞれの患者さんのニーズに合わせた治療を行っているそうです。
 「痛み止めだけでなく、ブロック注射、電気刺激、骨粗しょう症になった骨を強くする注射、骨折した背骨にセメントを補充する治療、内視鏡による最小侵襲の手術などを行っています。最近では単なる痛み止めといっても、いろいろな種類の薬が使えるようになってきましたので、痛みの原因にあわせて薬を処方することも可能です」
 またこちらには、西日本で一番とされる最新鋭の手術室を25室もそろえており、手術になった場合でもより正確な手術、そしてより患者さんに負担のかからない手術を行えるような体制を整えています。
 「1.8センチの皮膚の傷からヘルニアを摘出したり、コンピューターを用いて、小さな傷から金属を体の中に挿入し、背骨を補強したりする最先端の手術も積極的に行っています。また、難易度の高い手術にも積極的で、脊柱の変形に伴う激しい背中の痛み、脊髄腫瘍に伴う神経の痛み、がんの転移による耐えがたい痛みに対しても患者さんと相談しながら、場合によっては大きな手術を提示しています」

痛みは体からのアラームサイン。無理せず受診をすることが大事

 腰に痛みがあるという場合、先生は受診する目安として、(1)3日以上痛みが続くこと、(2)転ぶなど痛みの原因となるイベントがあったこと、(3)足がしびれる、おしっこが出にくいなどの症状があることを挙げてくださいました。
 「腰に痛みがあって病院を受診しても、検査の結果、異常がないために『腰が痛いわけありません』と言われたという患者さんは多くいらっしゃいますが、痛みは体のアラームサイン。運動しすぎて困っている体を休めてほしいという場合か、腰に起こっている異常を知らせるため、アラームを出しているのです。だから、痛みを我慢することは警告を無視していることと同じこと。放っておくと悪化する可能性もありますから、さきほど挙げた3つのうちどれかひとつでも当てはまるようであれば、一度医療機関を受診してください」

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