「膝が痛む」という人は“高血圧”や“糖尿病”にも要注意

[ニュース・トピックス] 2013年12月25日 [水]

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変形性膝関節症による軟骨下骨の骨量減少と高血圧症・2型糖尿病との関係

(この画像はイメージです)

 「中高年になって、なんだか膝が痛む・・・」という声はよく聞かれますよね。近年の調査ではシニア世代の6割以上が膝の痛みを抱えているともいわれ、膝が痛む疾患は多くの人にとって他人事ではありません。膝が痛む疾患はいくつかありますが、その中でも一番多いといわれているのが「変形性膝関節症」です。変形性膝関節症とは、膝関節のクッションの役割を果たしている軟骨がすり減り、膝の関節に炎症が起きたり、関節が変形したりして痛みが生じる病気です。
 実はこの変形性膝関節症が、一見何の関連もなさそうな高血圧症や2型糖尿病と関連しているかもしれない、という驚きの研究結果が発表されました。
 中国・香港大学 李嘉誠医学院のChun Yi Wen氏らは、変形性膝関節症により軟骨の摩耗が進み、軟骨の土台となっている軟骨下骨の骨量が減少することと、高血圧症や2型糖尿病がリンクしている可能性があることが判明した、とのレポートを発表しました。

解明が期待される変形性膝関節症と高血圧・糖尿病の相関関係

 研究チームでは、高血圧症や2型糖尿病と併発している変形性膝関節症の特徴を明らかにするため、進行期の変形性膝関節症患者43人を対象として調査を行いました。
 同意を得たうえで手術中に脛の骨の一部を採取し、マイクロCTでの解析、ならびに組織学的検査等によって軟骨下骨の損傷を調べ、さらに年齢・性別およびBMIなどを考慮して検証。その結果、高血圧症または2型糖尿病を合併している変形性膝関節症患者では、合併していない患者と比較して、軟骨下骨の骨量減少・骨密度低下が認められたと報告しています。
 しかし、因果関係が存在することは判明しましたが、なぜこのようなリンクが起こるのかは、まだ解明されていません。それぞれの疾患の相関関係を確認するためには、長期間にわたりさまざまな要因を大規模に調査する必要があるとされています。
 変形性膝関節症と、高血圧症・2型糖尿病との関係メカニズムが解明されれば、それぞれの疾患をひも解く大きな進歩に繋がるかもしれません。また変形性膝関節症や高血圧症・2型糖尿病を患っている方は、それぞれの病気についても考慮することが大切ですね。(そねゆうこ)

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