我慢するのは常識と思わないで 痛みの調査結果から

[ニュース・トピックス] 2013年7月08日 [月]

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自分の痛みのことを知らない人が7割以上

(この画像はイメージです)

 ファイザーが、国内で行った痛みに対する実態調査の結果を発表しました。その結果、慢性的な痛みを持っている人のうち、「我慢している」とした人が7割にも上ることが分かりました。
 日本人は我慢することが美徳とされる価値観が、痛みへの対応へも影響しているのではないかと推測されています。民族によって、痛みの訴え方やとらえ方に違いがあることは、これまでも様々な調査によって明らかにされています。
 今回の調査では、全国47都道府県で、慢性的な痛みがあるという9400人が調査に協力しています。このうち、神経が痛みを伝えている「神経障害性の痛み」に悩む人が2割程度いました。この種の痛みでは、見た目に傷や腫れは見られませんが、傷ついた神経が痛みを伝えています。座骨神経痛、帯状疱疹の痛みなどがこれにあげられています。
 さらに、痛みに悩んでいても通院している人は、半数程度しかいないことも明らかになりました。専門家に痛みについて、相談している人が少ないため、自分の抱える痛みの原因や、対処法についての知識がある人はわずか3割以下に留まりました。

痛みはきちんと解消して自分らしい生活を送ることが重要

 痛みを抱えて生活することで、行動範囲が制限されたり、睡眠や休息が妨げられたり、と言った状態に陥ると、生活の質が低下することが心配です。
 痛みの医学は日々発達しており、痛みをコントロールして、その人らしい日常生活を送れることを目標として対応することが望ましいとされています。
 ところが、今回の調査結果を見ると、日本人は痛みを我慢していることのほうが、生活の満足度を上げるよりも価値があると信じてしまっているフシがあります。
 膝の痛みが原因でこれまで楽しんでいたハイキングが出来なくなった人、手首の痛みが原因で孫をだっこできない人、など思い当たることはありませんか?今抱えている痛みを解消して、有意義な毎日を送ってみると、我慢することだけに価値観を見いだす必要はないことが実感できるのではないでしょうか。
 調査報告によると、『痛み症状の緩和には、痛みの種類や症状に合わせて、薬剤を用いる「薬物療法」にリハビリテーションなどの理学療法や、カウンセリングなどの心理療法も取り入れ、適切に治療を行う必要があります。(ファイザーリリースより)』とされています。
 特に、これまで痛みを我慢して、通院もしていなかったという人は、一度視点を変えて、痛みを解消する方法を専門家と一緒に探してみてはいかがでしょう。(唐土ミツル)

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