「骨に良い」だけじゃない!牛乳は筋肉にもありがたい存在

[ニュース・トピックス] 2014年10月17日 [金]

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体を支える骨と筋肉に欠かせないタンパク質

医学博士・管理栄養士
本多京子先生

 「牛乳はどんな点が優れているのでしょうか?」・・・この質問に「カルシウムが豊富」と答えた方、正解です。カルシウムは骨を作る重要な栄養素として広く知られています。とくに女性では50代前後から急速に骨密度が落ちていき、骨粗しょう症のリスクが高くなるため、牛乳からカルシウムを摂ることは、とても大切なことです。さらに、牛乳にはカルシウム以外にも優れた成分が多く含まれています。そのひとつが「タンパク質」です。そしてこのタンパク質も骨を作る大切な材料であることをご存知でしょうか。
 アメリカ乳製品輸出協会のプレスセミナーで講演した、医学博士で管理栄養士の本多京子先生によると、人間の骨はカルシウムを主要な要素として成り立っていますが、骨の中にはコラーゲンがあり、このコラーゲンはタンパク質の一種なのだそうです。また、骨を支える筋肉もタンパク質からできており、「体重50キロの人の体だとタンパク質はおよそ10キロにもなります。これは水の30キロに次いで2番目に多い要素なのです」と本多さんは語ります。

18歳でも70歳でも必要なタンパク質の量は変わらない

 体を動かすためのパーツ「運動器」の一部である骨と筋肉を健康に保つことは、人が元気に生きる上で欠かせないこと。最近では運動器に障害が起こり、立ったり歩いたりすることが難しくなる「ロコモティブシンドローム(=ロコモ)」という病気も知られています。この骨と筋肉を維持するために日本人が1日に必要とするタンパク質の量、実は18歳から変わらないのです。
 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2010年版)」では18歳以上の男性で60グラム、女性では50グラムのタンパク質が必要とされています。その一方、人の基礎代謝は年齢と共に低くなり、必要とするエネルギーは少なくなっていきます。そこで重要になるのが、タンパク質の摂取量を減らさずに、エネルギーの摂取量を抑えるということです。本多先生は、「高タンパクで低脂肪な食品を選ぶことが大切です。1日に、卵Lサイズ1つ、牛乳コップ1杯、あじ1尾、豚ロース薄切り3枚摂るようにしましょう」と、栄養バランスを考えた基本的な例を紹介してくださりました。
 筋力の衰えや骨がもろくなることで、転倒・骨折、関節の病気といったロコモ関連の病気やケガで要介護となる人は、国民の5人に1人にのぼります。牛乳をはじめとする高タンパクな食材を摂り、しっかりと体を動かすことでいつまでも元気に暮らせるよう心がけましょう。(QLife痛み編集部)

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