変形性関節症の治療に新たな福音

[ニュース・トピックス] 2013年9月05日 [木]

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効率よく軟骨組織を再生させることに成功

(この画像はイメージです)

 「変形性膝関節症」は膝関節の軟骨がすり減ってしまう病気です。ロコモティブシンドロームの代表的な疾患であり、介護保険では要支援になる原因疾患の第一位でもあります。骨粗鬆症や関節リウマチよりも多くの高齢者が罹患しており、国内の有病者数は 実に2000万人以上と推計されています。しかしながら、現在臨床で使われている原因治療はなく、対症療法がほとんどです。
 そこで注目されているのが、すり減ってなくなってしまった膝関節軟骨を再生させる「軟骨組織再生」です。これについては、すでに多くの研究開発が進んでいますが、今回、東京大学大学院工学系研究科(医学系研究科兼担)の鄭雄一教授らは、軟骨細胞シートと低分子化合物(TD-198946)を組み合わせることによって、より効率よく硝子様軟骨組織を再生させることに成功しました。

軟骨組織再生の選択肢が広がる?

 患者さんの軟骨細胞を培養して作った軟骨再生シートを患部に移植して、すり減ってしまった軟骨の表面を再生しようという治療法は、すでに臨床実験が行われています。今回の実験では、細胞シート工学の技術と軟骨分化誘導能をもつ化合物(TD-198946)を組み合わせることによって、軟骨組織の再生を効率よく行うことを目的としました。
 今回の実験により、少量の軟骨細胞から軟骨組織を再生できることが示唆されました。今後、軟骨組織再生の選択肢が広がる可能性があります。(QLife痛み編集部)

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