進化する関節リウマチの治療

[関節リウマチを知る] 2015年3月03日 [火]

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治療法が大きく変わった!関節リウマチはどんな病気か

 一昔前まで、関節リウマチといえば、慢性的な痛みに加えて徐々にからだの自由がきかなくなる“不治の病”でした。しかし、昨今、新しい薬が開発されて治療法も変わり、症状がほとんどなくなる“寛解(かんかい)”を目指すこともできるようになりました。ここでは、関節リウマチについて、最新の知識をお伝えします。

新しい治療薬の登場で、治療法が劇的に変わった

 現在、関節リウマチと呼ばれている病気は、以前は“慢性関節リウマチ”という名前でした。もともとの、リウマチの学術名称であるRheumatoid Arthritis には、“慢性”ということばは含まれません。しかし、一生付き合わなければならない病気と思われていたため、“慢性”という呼び名が当然のように受け入れられてきました。治療方法も、鎮痛剤や炎症を抑える薬を服用する、対症療法的なものしかありませんでした。

 しかし、それは過去の話です。90年代後半から新しい治療薬が次々と開発され、関節リウマチを悪化させる仕組みに直接働きかけ、症状の進行を食い止めることができるようになりました。関節リウマチの治療法は激的に変わったのです。

関節リウマチ、治療薬の変遷
関節リウマチ、治療薬の変遷

早期に発見、治療すれば寛解(かんかい)状態も可能

 新しい治療薬の登場で、関節リウマチは、早期に発見・治療すれば“治せる病気”になりました。“治せる”とカッコ付きで紹介しているのは、病気の原因が不明で、「完全に治癒した」とは言い切れないためです。それでも、関節リウマチと診断されても、関節の痛みや腫れなどの症状が少なく、検査の数値も安定し、日常生活も問題なく送ることのできる「寛解」の状態になることは不可能ではありません。その人に適合した薬を使うことができれば、およそ7割の患者さんにとって「寛解状態」が可能だとも、言われています。そういった意味で、関節リウマチはいまや“治せる”病気なのです。

 “治す”ためには、まず、病気がひどく進行する前に、効果の高い治療薬を使うことが大切です。薬を使うためには、できるだけ早く「関節リウマチである」と診断することが必要。ところが、従来の関節リウマチの診断基準は病気にかかってから7、8年経た人を基準に作成されたものでした。そこで見直しが求められ、欧米で2010年に新しい分類基準が発表され、現在、日本でもほとんどの場合、この新しい分類基準と寛解基準にそって、診断、治療が行われています。関節リウマチとは、いまや

  1. 早期診断が重要
  2. 治療効果の高い薬を早期から使用する
  3. 「寛解」(関節の痛みや腫れがほとんどない状態)を目指すことができる
  4. 病気の活動性(痛みや炎症反応の度合い)を点数で評価し、明確な目標を設定して治療する

という病気なのだ、と理解しましょう。

関節リウマチは寛解状態が可能な“治せる” 病気になった
関節リウマチは寛解状態が可能な“治せる”病気になった

監修:林 泰史 東京都リハビリテーション病院院長
1939年生まれ。1964年京都府立医科大学卒業後、東京大学整形外科に入局。東京都衛生局技監(東京都精神医学研究所所長兼任)、東京都老人医療センター院長、東京都老人総合研究所所長などを経て2006年より現職。
著書は「老いない技術」(祥伝社)、「骨の健康学」(岩波書店)など多数。

(スーパー図解 関節リウマチ 平成25年9月26日初版発行)

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