関節リウマチとはどんな病気か 後編

[関節リウマチを知る] 2015年3月17日 [火]

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発症の原因は、いまだに不明

 関節リウマチが発症する原因やメカニズムはいまだに不明です。現在考えられているのは、もともと関節リウマチになりやすい体質をもっていたり、たまたまなりやすい環境にいたりする人に、あることがきっかけとなり、免疫異常がおこるのではないかということです。

 体質は遺伝的に引き継がれますから、かつて家族の中に関節リウマチ患者さんが出た家系では、関節リウマチになりやすい要因を引き継いでいると考えられます。とはいうものの、家族に関節リウマチ患者さんがいた家系の関節リウマチ発症率は、リウマチ患者さんが出たことのない家系で病気になる確率に比べて、わずかに高い程度。ちなみに、一卵性双生児の両方の人が関節リウマチになる確率は15%程度です。このことから、関節リウマチが明らかな遺伝病でないことがわかります。

 もう一つの要因である「発症しやすい環境」とは、ホルモンの影響や感染症にかかった経験などです。女性の場合に限りますが、妊娠や出産、経口避妊薬の使用状況によってリウマチの病態が軽快したり、閉経以降に悪化したりといった変化がおこることから、リウマチとホルモン状態には、何らかの関連があると推測されています。感染症に関しては、どの細菌やウイルスが関節リウマチの原因になるのかはわかっていません。最近では、特定の病原体が原因なのではなく、いくつかの感染症にかかった病歴の積み重ねが発症にかかわっているという考え方もでてきました。こうした要因をもっているとき、疲労や極度の寒さにさらされたり、感染症、精神的ストレス、妊娠、出産などの刺激を受けて免疫の働きが活発化すると、関節リウマチが発症すると考えられています。

さまざまな要因が免疫異常を引き起こす?
さまざまな要因が免疫異常を引き起こす?

発症のピークは30~50代の女性

 関節リウマチにかかっている人は、世界のどの国でも0.5%~1.0%(平均0.8%)といわれ、日本ではおよそ60~70万人の患者さんがいると推定されています。

 実際にはどんな人が関節リウマチになっているのでしょうか。一般に関節リウマチは“女性”の“高齢者”に多い病気というイメージが強いかもしれません。確かに患者さんの性別は、女性のほうが多く、男性の3~4倍です。しかし、患者さんのうち20%以上を男性が占めると考えれば、決して男性が関節リウマチにかからないというわけではありません。

 また、この病気を発症しやすい年齢は、30~50代です。このことからわかるのは、「関節リウマチは、高齢者に発症しやすい病気ではない」ということです。とくに30~50代の人は、仕事や家事、育児、介護など、社会や家庭で担う役割が多く、自分の健康を後回しにしがちです。先に述べたように、関節リウマチは早期に発見して早期に治療すれば”治せる”病気になりました。「若いから病気を抑え込める」という誤解で治療の開始を遅らせることのないようにしたいものです。

 関節リウマチにかかっている人の割合は、若年期から病気を継続していることも関係して、高齢になるほど増えます。国内のある地域の調査では、60歳以上の女性の約1.6%、男性の0.6%が関節リウマチ患者であるというデータが得られました。これは、欧米などに比べるとやや低いものの、今後人口が高齢化するにつれて、将来的に高齢者の関節リウマチの患者数が増加することも予想されます。

「若いからかからない」病気ではない
「若いからかからない」病気ではない

監修:林 泰史 東京都リハビリテーション病院院長
1939年生まれ。1964年京都府立医科大学卒業後、東京大学整形外科に入局。東京都衛生局技監(東京都精神医学研究所所長兼任)、東京都老人医療センター院長、東京都老人総合研究所所長などを経て2006年より現職。
著書は「老いない技術」(祥伝社)、「骨の健康学」(岩波書店)など多数。

(スーパー図解 関節リウマチ 平成25年9月26日初版発行)

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