関節リウマチ手術後のリハビリテーションって?

[手術療法] 2015年9月08日 [火]

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関節リウマチの手術は、リハビリテーション(以下、リハビリと省略)とセットになった治療法です。というのも、手術後にきちんとしたリハビリを行わないと、関節機能の回復には大きな差がでるからです。実際にはどのようなリハビリを手術後のどんなタイミングで行うのか、ここでは人工膝関節置換術を受けた患者さんのリポートを例にご紹介します。

【患者さんデータ】
 同日に両膝の人工膝関節置換術を受けた、関節リウマチ患者さん(60代女性)体験リポート。

【リハビリは手術後1日目から】

riha-1ベッドの上でCPM(持続的関節他動訓練器)を使ってリハビリを行う

 手術後の状態を診てもらい、ひどい浮腫(むくみ)や血栓の可能性がないことを確認し、手術後1日目から、リハビリプログラムを開始しました。ベッドサイドで理学療法士さんによる、足関節背屈(足首の関節を、つま先をからだのほうに曲げる動き)と、膝セッティングという太腿(もも)の筋肉を鍛えるリハビリを行いました。また、膝を動かす訓練はこの日は自力で動かすのではなく、機械に両足を乗せて固定すると、自動的に膝を曲げ伸ばししてくれるリハビリマシーン(CPM=持続的関節他動 訓練器)を使用。最初、屈曲角度を70度にセットされましたが、痛みを感じたため、角度を少しゆるく68度にしてもらいました。

【2日目にはつかまって歩く!】

riha-2おそるおそる歩いているため、からだが前傾姿勢になっていると、理学療法士さんに指摘された

 車椅子で訓練室に移動し、早くも本格的なリハビリが始まりました。膝関節と足関節の関節可動域を維持する運動(ROM)を理学療法士さんの指導で行いました。膝の関節の動きと足首の動きをスムーズに連動させるため、足の裏でロールを転がす運動と、1日目と同じ、足首背屈のリハビリも行いました。さらに、横になっている時間が長いので、筋力を落とさないように腹筋を鍛えるトレーニングもしました。

 その後、早くも「歩いてみましょう」と言われました。とても無理だと思いましたが、両側のてすりにつかまりながら歩いてみたところ、2往復もできてびっくりです。CPM訓練は68度で行いました。

【3日目には歩行器で】

riha-3「足の裏でロールを転がす」という単純なことも、それぞれの関節がうまく動かせないと難しいのを実感

 昨日ロールを転がしたときと同じようにこのとき、股関節、膝関節、足関節の3つの関節をうまく連動させることを意識するのが大切だと言われました。続いて新しいリハビリです。歩行器につかまりながら自分で歩きました。その際は「床をけった足の裏が見えるようにかかとを上げる」 ようにする、というアドバイスをもらいました。最初は思い切って踏み出すことができなかったのですが、痛みを感じなかったため、ゆっくり繰り返していたら、リハビリ終了までに100メートルも歩いていました。

riha-6かかとをしっかり上げて歩くのがコツ
riha-5

 その後、膝を支える太腿の筋肉を鍛えるSLRという運動をしました。あお向けになって、片方ずつ、膝を伸ばした状態で、かかとを床面から30センチぐらいの高さまでゆっくり上げ5秒ぐらいキープしてから、下ろします。

【4日目はさらに歩行がスムーズに】
 手術からまだ4日目とは自分でも信じられません。歩行器で今日も歩行訓練をしましたが、昨日よりもずっとスムーズに歩くことができます。また、腹筋を鍛えるトレーニングを行いました。スムーズに歩けるようになったとはいっても、膝の曲げ伸ばしにかかわる筋肉、特に膝の後の筋肉が緊張しているので、それを緩める訓練を受けました。

 以後、下の表のようにリハビリを重ねて、術後28日目に退院したときは、杖に頼らずに歩けるようになっていました。


両膝関節置換術後のリハビリの進行例
両膝関節置換術後のリハビリの進行例

監修:林 泰史 東京都リハビリテーション病院院長
1939年生まれ。1964年京都府立医科大学卒業後、東京大学整形外科に入局。東京都衛生局技監(東京都精神医学研究所所長兼任)、東京都老人医療センター院長、東京都老人総合研究所所長などを経て2006年より現職。
著書は「老いない技術」(祥伝社)、「骨の健康学」(岩波書店)など多数。

(スーパー図解 関節リウマチ 平成25年9月26日初版発行)

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