よくわかる「認知症」-他人ごとではありません。解決できることもあります。-

 日本国内の認知症の患者さんは200万人を超えると言われています。これは、高齢者の1割近くです。患者さんの支えになり大変な苦労をされるご家族や周りの方のことを、そしてこれからの高齢化社会を考えるとこの病気の重大さが身にしみますね。また、若年性認知症(64歳以下で発症)も深刻で、その発症者数は約4万人に達し、しかも実情はその3倍とも4倍とも言われています。

医療技術の進歩には期待するものです。認知症には、予防ができるケースや、治癒できるケースもあります。しかしその前に、私たち自身が、認知症とは何か、何が原因なのか、疑いを持ったら、直面したら何をすべきか、そのセオリーはわきまえておく必要があります。

本コーナーは、遠藤英俊(えんどう ひでとし)先生(国立長寿医療研究センター内科総合診療部長)のご協力により、認知症の基本的な知識がまとめられたものです。予防、介護、治療に関する色々な側面の疑問に答えていただきました。まずは、認知症の「いろは」を知って、理解のきっかけにしてください。知っておけば必ず役立ちます。

認知症フォーラム.com 制作委員会制作「認知症フォーラム.com」より

遠藤 英俊 先生
国立長寿医療研究センター内科総合診療部長

1982年 滋賀医科大学卒業
1987年 名古屋大学医学部大学院修了
市立中津川総合病院内科部長、国立療養所中部病院内科医長などを経て、現在にいたる。老年病専門医。

著者に『認知症・アルツハイマー病がよくわかる本』(主婦の友社)、『地域回想法ハンドブック』(河出書房新社)、『いつでもどこでも「回想法」』(ごま書房)など多数。