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[患者さんの相談事例] 2014/04/25[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

医師の乱暴な言葉に傷つき、子どもが受診を嫌がるように。どこに言えばその医師の言動を指導してもらえますか?(35歳・女性)

 6歳の3歳の子どもがおり、2人とも鼻づまりがひどくて同じ耳鼻科クリニックにかかっています。
 そのクリニックの院長が1年ほど前にテレビに出演して以来、患者さんがとても増え、かなり遠方から通院している人もいるようです。ちょうどそのころ、もう1軒別の場所にも耳鼻科クリニックを開業したらしく、院長はそちらを中心に診療されるようになりました。そのため、ずっと院長に診てもらっていたのに、院長の診察を希望できなくなりました。仕方なく、院長の一番弟子のようなドクターに代わったのですが、3ヵ月ほど前、急に辞めてしまわれたのです。クリニックの受付の人に、「どこにかわられたのですか」と聞いても、「それはこちらでは言えません」と教えてもらえません。
 つぎに担当になったドクターは、下の3歳の子どもを初めて診察したとき、いきなり「汚い鼻だな!」と言ったのです。3歳でも子どもなりに傷ついたようで、それ以来、「あの先生は嫌」と言って、頑なに耳鼻科受診に抵抗します。私としても、これ以上傷つけられたらと思うと、強く子どもを連れていけずにいます。そうしたら、鼻づまりがさらにひどくなってきて、夜中に睡眠が浅くなっているのか、保育園で眠ってしまうことが多いと言われました。
 このような子どもを傷つける発言をするドクターやテレビに出演した途端に対応が悪くなるクリニックについて、どこに言えば適切に指導してくれるのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 小さな子どもを傷つけるようなドクターの言葉はひどいですね。子どもさんがトラウマになってしまわないことを願うばかりです。
 ドクターや医療機関はいのちや身体を対象とする仕事なので、何かあったときに指導する機関があると思われがちです。ところが残念なことに、医療者の言動について指導する権限を持った機関はないのが現状なのです。そのため、何か疑問や納得いかないことがあれば、直接医療機関に届けるしかありません。それ以外に選べるとすれば法的手段ですが、言葉で傷つけられたということは形として見えにくく、「言った」「言わない」の水掛け論になりがちなので、法的に問うのも難しくなります。
 もし、子どもさんたちが院長の診察なら安心できるのであれば、クリニックに傷ついた件を伝え、子どもが受診できなくなっていることを“相談”してみてはいかがでしょうか。その際、子どもが安心して受診するためにも、院長の診察を希望していることを伝えてはどうかと思います。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 テレビへの出演や新聞掲載などを機に「患者が増えて対応がよくなくなった」、あるいは「テレビに出演していいことを言っていたので受診してみたら、対応がよくなかった」という相談は少なからず届きます。患者数が増えると丁寧な対応ができなくなるのは容易に想像がつきますが、やはりそれは信頼の低下につながることです。そういうときこそ、それまで以上に気をつけて患者対応することが求められます。
 また、3歳の子どもへの心ない一言は、あまりにも配慮がなさすぎると思います。いつまでも忘れられない一言として、心に傷となって残る可能性があります。もし、苦情として届いた場合は、医療機関としてきちんと受け止め、傷つけたことを真摯に詫びるべき内容だと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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