聖路加看護大学×テルモ株式会社共催「新健康カレッジセミナー」

[イベント調査隊が行く] 2008/07/04[金]
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聖路加看護大学×テルモ株式会社共催
新健康 カレッジ セミナー「もっと知ろう、自分のカラダ!」はつらつキャリアウーマン編

講座1 「妊娠を迎える女性の体づくり・健康づくり」について

子供は欲しいけど、仕事も大切・・・今、そんな女性は多いのではないでしょうか?
今回は現代女性が悩める妊娠、出産について学べるセミナーにお邪魔しました。
個人的にも、周りで出産を希望しつつも、仕事が面白くなってきたり、重要な役目を任されたりで仕事を続けたい、また年齢的にどうしていいかわからない、といった悩みを聞いていたので非常に興味深いテーマでした。

講演をしてくださるのは聖路加看護大学の母性看護・助産学教授の森先生。
先生は、

  1. 女性のライフスタイルの現状
  2. 女性のからだとこころ
  3. 健康生活とセルフケア
  4. 母性保護、子育て支援の取り組み
  5. ライフプランにおける心構え

上記の妊娠・出産に焦点をあててお話してくれました。
まさに今の女性にとって関心度が高い内容ですね。

1.女性のライフスタイルの現状について

先生はまず、女性の平均寿命が延びてきたこと(図1)、そして晩婚化(図2)、第一子出産時の平均年齢の上昇(図3)についてお話されました。
seiroka1.jpg(図1)
seiroka2.jpg(図2)
seiroka3.jpg(図3)

上記の話から今の20代中ごろといえば・・・

  • 自分と身の回りに目を向けている時期
  • 自分探し、彷徨のとき
  • 社会と自分をすり合わせる人生の基礎づくり

であることが多く、したがって

  • 昔の人は結婚や出産・子育てしていた ⇒ 今の人はその時期にそれをしなくてもすむ、また他の選択肢がある
  • 仕事や勉学を核とした暮らしと言えるのでは、とのいうお話がありました。確かにそうですね。

また先生は働いている女性が、少しずつ高齢化していることや出産後も仕事を継続される方が増えている現状(図4、5)などを統計を用いて説明してくれました。

seiroka4.jpg(図4)
seiroka5.jpg(図5)

しかし、一方で、日本は先進国の中でも、出生率の低下が進んでおり、公的支援も少ない(図6)

seiroka6.jpg
(図6)

ことから

  • 女性にとって、働きながらの出産・育児はしづらい
  • 女性の就労にかかわらず子どもを産むことを選びにくい

という現状があるようです。

2.女性のからだとこころ

seiroka7.jpg次に先生は女性の体について解説してくれました。(図7)これは漢方の考え方らしいのですが、多くの女性にとって目安になりそうなものですね。
ただし、最近では、性成熟は早まっており、日本女性の初経は平均12歳で、性機能のピークは20代前半と考えることが一般的になっているそうです。

(図7)

seiroka8.jpgそして、病院の外来で妊娠について最も多い「赤ちゃんが産めるかどうか」という質問について簡単なチェック項目を教えてくれました。(図8)
要因としては①が一番のポイントになります。やはりその分、高齢化すると生理的に妊娠しにくくなる、という認識はしっかりと持っておくことは大切です。

(図8)

3.健康生活とセルフケア

妊娠を望む場合、そのための準備や日々の健康管理が重要であることを聞いて、一般的に妊娠してからのケアは心がけるものの、その前のケアに関しては意識が低いように思えました。

そして先生は妊娠前から妊娠中のアドバイスとして、

「妊娠を望むときの生活」

  • 食事:妊娠前から摂取しておきたい成分としては葉酸がオススメです。今はサプリメントなどで比較的簡単に摂取できます。
  • 体重:肥満は排卵をさまたげる一因となることがあるため、過度な体重の増加には気をつけましょう。
  • 飲酒:適度に、そして妊娠前は控えた方がいいです。
  • 喫煙:百害あって一利なし、です。
  • 性生活: 2~3日に一度が理想的だそうです。
  • 健康的な生活:これは何も妊娠の話に限りませんね。

ただし、これをやれば妊娠できるというようなものはないとの認識は必要です。
しかし何といっても大切なことは、「妊娠を望んでいるか」で、これは、

  • 妊婦の抑うつに影響する(望んでいないと抑うつを高める)
  • 妊婦の抑うつは胎児への感情に影響する(抑うつが高いと胎児への感情が否定的になる)

という可能性があるため、よく考えることが必要ですね。
そして「妊娠中の生活」のアドバイスとして

  • 食事:鉄分、ビタミンA、ビタミンBをよく摂取しましょう。
  • 飲酒:やめましょう。
  • 喫煙:自身はもとより周囲の人も気を使いましょう。また妊婦がニコチンガムをかむことはよくないです。
  • 服薬:むやみに使用にしない。医師と相談して服用しましょう。
  • 感染予防:殺菌されていない、なま物は要注意です。
  • 性生活:感染症には気をつけましょう。
  • 運動:激しいものは避ける。とくに腹部を圧迫するようなもの、関節に負担がかかるようなものはしない。スキューバダイビングなどもよくないです。
  • 旅行:長時間のフライトは気をつける。医師と相談するとよいです。
  • 車での移動:シートベルトは最近普及されつつある3点式であれば着用したほうがよいです。

印象的だったのは「母親のからだとこころに栄養がなければ子供に愛情を注げない」という言葉でした。先生が生徒さんに指導されるときによく使用される絵(図9)を見てさらに納得しました。
seiroka9.jpg
そして女性は、からだの変化に伴って、こころも徐々に母親になる自覚が出てくるようになっているとのお話もありました。

その他に妊娠中の就労による明らかなリスクや妊娠中の合併症に関する証拠はない

と、するものの

  • 長時間労働(週42時間以上勤務)
  • 立ち仕事(1日6時間以上)

は、低体重児、早産のリスクがあることは、知っておくべき事項として取り上げていました。

(図9)

4.母性保護、子育て支援の取り組み

また先生は、母性保護、子育て支援の取り組みについてよく知っておくことも大切だと仰っていました。(図10、11)
seiroka10.jpgseiroka11.jpg(図10、11)

少しずつではあるものの、ようやく社会制度が追いついてきたと言えますね。
そしてウェルネスを大切に、というお話がありました。ウェルネスとは、それぞれの人が良いと思う健康という意味だそうです。

それには

  • 自分のカラダを知る ⇒ 良くする
  • 社会制度やシステムを知る ⇒ 活用し、ゆとりを持つ

必要がありますね。

5.ライフプランにおける心構え

最後にライフプランにおける心構えとして、

  • 計画できること、できないこと
  • どんな生き方をしたいか考える
  • 固有の人生を大切に

とのアドバイスをいただきました。

コントロールできないこともあるので、よく考え、計画を立てることが大事であり、また、くよくよせず、受け入れる心も大切であるとお話されていました。
非常に心強い言葉です。

今日学んだことをまとめてみると、

  • 自分のからだを知る
  • ライフステージに応じた定期健診を受ける
  • 健康的な生活を送る
  • 権利(right: 人がもつ当然の要求)の行使、必要な情報、欲しいリソースに自らつながりをつくっていく

ということが大切だとわかりました。
ぜひ、妊娠を考えられている方には参考にしていただき、よいライフプランを計画してほしいと思いました。

seiroka_mori.jpg聖路加看護大学 教授/聖路加看護大学不妊症看護認定看護師教育課程 主任教員/日本生殖看護学会理事長
森 明子先生

聖路加看護大学卒業後、聖路加国際病院の助産師を務める。その後、聖路加看護大学大学院看護学研究科博士前期課程を修了し、聖母助産婦学院、聖母女子短期大学で専任講師、聖路加看護大学では教授として活躍され、現在、同大学不妊症看護認定看護師教育課程 主任教員を兼任。
日本生殖看護学会理事長。平成15年「不妊治療にかかわる看護者のストレスと対処」の研究により、日本私立看護系大学協会「看護学研究奨励賞」を受賞。その他、著書多数。

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