目の乾き、口の渇きがずーっと続くアノ病気について調査してきました

[イベント調査隊が行く] 2008/10/14[火]
このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをFC2ブックマークに追加この記事についてつぶやく

目が乾く、口が渇くと聞いても・・・何てことない、軽い症状に思われがちなイメージがありますが、これらの乾燥状態がずっ~と続いたら不快な上、生活にも支障が出ますよね。

ところが、このひどい「乾燥症状」は鼻や皮膚に出ることや、疲れやすい、関節が痛むなどの全身に症状が出たり、場合によっては慢性的な胃炎や気管支炎を伴うこともあるれっきとした病気ということがわかり、ちゃんと病名も付いていました。

高村先生「シェーグレン症候群」。うーん聞いたことない名前だけど、調べてみると「自己免疫疾患」の一種だという。自己免疫疾患とは、本来は細菌・ウイルスや腫瘍などの自己と異なる異物を認識し排除するシステムが不全となり、自己の正常な細胞や組織に対して攻撃を加えてしまう病気のことらしいです。
こうみると結構な病気のようですが、年々増加傾向にある、注目疾患であるとのこと。もっと知識を得るべく、シェーグレン症候群についての話を聞きに行ってきました。
お話してくれたのは東京女子医科大学 准教授の高村先生。先生はまず、患者さんについてお話してくれました。

  • 一年前から目がごろごろして、眼科に行くと目薬をもらえた
  • 目薬で多少楽になったものの、朝は目薬がないと目が開かない
  • よく聞いてみると、他にも口の渇きがひどく、ペットボトルが手放せない状態であることがわかった
  • 指とか肘などの関節は痛むようになったが、年のせいだと自己判断していた

先生のもとには上記の患者さんのような方が、少なからず訪れるそうですが、話を追っていくと、様々な症状を伴っている場合もあるため、少しだけ話を聞いて簡単に「ドライアイ」と判断できないそうです。

そもそも「ドライアイ」とは何でしょう?

  • 眼が疲れる
  • 眼がしょぼしょぼする
  • 眼がごろごろする
  • 眼が開いていられない
  • 眼が痛い
  • 眼が赤くなる
  • 涙が急に出る
  • はっきり見えない

どれも症状が長引くので、毎日のように不快感があるのが特徴です。
一口にドライアイといってもいろんな症状がありますね。しかし、簡単に判断するのは難しいらしく、よく診ていただくことが重要なようです。

またドライアイは、

  • 中高年になると涙の量が減ってくる
  • 涙腺の大きさ:男性>女性
  • 女性ホルモンの関与

以上のことから、『女性に多い』、『40-60歳に多い』、とのこと。

涙のはたらき

また涙についての解説もいただきました。「涙のはたらき」は素晴らしく、下記の、

《水分》

  • 眼の粘膜の乾燥防止
  • 汚れ(最近、花粉、異物など)を洗い流す
  • (実は眼の表面は凸凹しているため)眼の表面を滑らかにし、はっきり見えるようにする

《成分》

  • ビタミンA、成長因子:眼の粘膜を正常に保つ
  • 抗生物質(ラクトフェリン、リゾチーム):眼を外敵から守る

のほかに、涙は非常に薄い膜で眼の表面を覆っていて、その薄い幕は油層、水層、ムチン層という三層構造で成り立っているそうです。但し、この三層構造のバランスが崩れてしまうと、眼の表面の粘膜が乾いて、様々な症状が出てくるとのこと。

シェーグレン症候群って?

ではシェーグレン症候群とは?
名前の由来はスウェーデンの眼科医から取ったものらしいですが、特徴として、

  • 人口10万人あたりで10人弱
  • 自己免疫疾患の中では頻度が高い
  • 女性に多い(男性:女性=1:20)
  • 発症年齢のピークが40-60歳

ということで中高年女性のドライアイには特に要注意とのことでした。症状としては…

  • ドライアイ
  • ドライマウス
  • 鼻乾燥症
  • 皮膚乾燥症
  • 膣乾燥症
  • 慢性膵炎
  • 慢性胃炎
  • 慢性気管支炎

など多岐にわたるそうです。

ちなみにドライマウスとは?

  • 口の中が不快になる(渇く、ネバネバする)
  • クッキーや、おせんべいなど乾いた食べ物が水なしでは食べられない。
  • 会話や、食べ物の飲み込みがしにくい
  • 虫歯になりやすい、口臭が気になる
  • 味がわかりにくくなる
  • ぐっすり眠れなくなる(水分補給の頻度が多くなるため)
  • 口や舌が痛い、それらの原因(裂傷など)で感染症にかかりやすくなる

という特徴があるそうです。

治療法について

では、どうやって治療すればいいのでしょうか?
「まずは医療機関で、自覚症状についてしっかりと伝えることが大切です。」というお話を聞いて、簡単そうですが、自分を振り返ってみると何でもお医者さんに任せっきりであることが多いのに気づきました。

ドライアイの治療法としては…

  1. 乾燥予防(点眼薬、軟膏、人工涙液)
  2. ドライアイ用眼鏡
  3. 涙点プラグ

があり、3の涙点プラグとは、1、2で様子を見てからの治療となるものですが、涙の排出口である涙点を閉じることで、眼に涙をためる治療法だそうです。

ここで先生から使い切り点眼薬についての注意がありました。
「よく使い切りタイプで使い切らず、再度使う方がいますが、使いきりタイプのものは防腐剤が入っていないため、ふたを切り取った瞬間から細菌等の繁殖が始まってしまうので気をつけましょう。もったいないと思わずに、目を洗うように使用するのがおススメです」

自分のことを言われているようで少し恥ずかしくなりました(笑)
またドライマウスの治療法としては…

  1. 水分補給:人工唾液スプレー、保湿成分が入った液(ジェル、軟膏など)
  2. うがい薬(で清潔に保つ)
  3. 服薬(病院で処方してもらえます)

など、ドライアイ、ドライマウスともに症状にあわせた治療法が、いくつもあるのでしっかりと診ていただくことが大切だそうです。
また、少し良くなると治療をやめてしまう方もいるそうですが、油断は禁物。焦らずしっかり治療することも大事なことだと仰っていました。

ドライアイ・ドライマウスの生活術

そして最後に先生からアドバイスをいただきました。

ドライアイの生活術

dr_takamura2.jpg

湿度を上げる工夫をする
  • 乾燥する時期には加湿器を
  • 洗濯物を室内に干す
  • ゆっくりお風呂に入る
風を避ける
  • 空調の風が顔に直撃しないように気をつける
  • もちろん夏も要注意
涙の蒸発を少なくする(眼を小さくする工夫)
  • テレビは床に置く
  • パソコンの画面は視線が下向きになるように配置
自分の涙を有効活用
  • まばたきをする
視環境を整える
  • 眼鏡やコンタクトレンズの適正度(視力や使用感)

ドライマウスの生活術

口腔内の湿潤
  • ペットボトルの携帯(水分補給)
部屋の湿度に気をつける
口腔内を清潔に保つ歯磨き、意図用事を使用
咀嚼回数を増やす
  • 砂糖の入らないキシリトールガムを食べる
軽い運動をする
酸味のある食べ物で刺激する

どれも少し気をつけることで、環境を良くできそうですね。
先生ありがとうございました。

dr_takamura1.jpg
東京女子医科大学 眼科学教室 准教授
高村先生

東京女子医科大学卒業後、同大学で講師、助教授を歴任し、現在に至る。
日本眼科医会理事、日本眼炎症学会 理事など他 多数在籍「ドライアイ診療PPP」など、その他著書多数


関連記事:シェーグレン症候群

みんなの感想:この記事はあなたの健康に役立ちましたか?

とても参考になった まあまあ参考になった 普通だった 参考にならなかった
88% 8% 3% 1%
一言感想

この記事を読んだ人は他にこんな記事も読んでいます。


記事の見出し、記事内容、およびリンク先の記事内容は株式会社QLifeの法人としての意見・見解を示すものではありません。
掲載されている記事や写真などの無断転載を禁じます。

相談できる病院を探す

  • 漢方 漢方のことはお医者さんに相談
  • 漢方 漢方のことはお医者さんに相談
  • 糖尿病 糖尿病が気になる方はこちらから
  • 脳卒中、認知症など 日本神経学会認定神経内科専門医
QLife会員新規登録はこちら
注目トピックス
人気記事ランキング
健康・医療の記事一覧
医療機関のみなさまへ
QLife漢方-漢方の医学的・科学的情報をわかりやすくお伝えします。
QLifeがん-がん治療についてのさまざまな情報をわかりやすくお伝えします。