植物性乳酸菌「ラブレ菌」のナノ化(粒子径1.0μm未満)技術を開発

[イベント調査隊が行く] 2008/12/11[木]
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ラブレ菌をご存知ですか?、正式名称はLactobacillus brevis subspecies coagulans(ラクトバチルス・ブレービス・サブスピーシズ・コアグランス)という長い名前のこの菌「?」と思った方も乳酸菌ならご存知でしょう。体に様々な有益な効果をもたらす事で有名ですね。
この乳酸菌、実は植物性と動物性の2種類あるってご存知でしたか?、植物性は、野菜や穀物を醗酵させ漬物や味噌など作る乳酸菌。動物性は乳を醗酵させてヨーグルトやチーズなどを作る乳酸菌です。ラブレ菌も乳酸菌の一種で、京都パストゥール研究所を設立した故・岸田綱太郎博士が、1993年に京都の漬物、酸茎漬(すぐきづけ)から発見したそうですよ。

日本人が見つけた日本生まれのラブレ菌。そんなラブレ菌が、また新しい進化を遂げたようです。今回は、植物性乳酸菌「ラブレ菌」のナノ化についてレポートします。

なぜ小さくすると良いのか?

なぜ小さいほうが良いのか?、それは体が吸収する仕組みによります。
人間が食べた物は小腸で吸収されやすい様に低分子レベルまで消化分解され、小腸で吸収されます。これに対しラブレ菌も含めた乳酸菌は胃内で消化分解されず、大きな塊のまま小腸まで到達します。
そのまま運ばれた様々な物質は小腸の出口付近に到達しM細胞と呼ばれる細胞に出会います。これは最強の門番(免疫システム)で、様々なウイルスや細菌を何でも取り込みます。(貪食)次にマクロファージと呼ばれる細胞が有害かどうかをチェックします。仮に体に有害な細菌やウイルスだとしたら攻撃態勢をとり、免疫力を高めるIFN-αという物質を生産し、リンパ球に攻撃するように指令を出して、悪い細菌やウイルスから体を守っています。

ラブレ菌がこのM細胞に取り込まれると、M細胞は敵と勘違いし、攻撃態勢をとり免疫力を上げる物質であるIFN-αを生産します。これによって結果として免疫力が上がる、というわけです。

ただ、このM細胞、取り込む粒子の大きさが10μmを超えるとM細胞による貪食は著しく低くなることがわかっています。つまり、免疫力を発揮するためには、粒子の大きさを小さくすることが効果的であると考えられます。しかし、これまでの「ラブレ菌」においては、粒子径が9μm近くもあり、粒子径が小さい他の乳酸菌と比べるとIFN-α産生能は満足できるものではありませんでした。

そこで、信和薬品株式会社は培養工程および加工工程をある特定条件に調整することで、粒子の大きさを1μm未満のナノレベルにまで小さくした上で、「ラブレ菌」同士の再吸着を防止できる技術も確立、今回、『ナノ型ラブレ菌』の開発に成功したと発表しました。
一般的に、乳酸菌が培養時における諸条件によってその形態が変化することは知られていたそうですが、乳酸菌の大きさ自体を1.0μm未満にまで調整できるという技術も初めてのものだそうです。

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<各種食品中に含まれる乳酸菌の粒子径とIFN-α産性能 分布図>
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dr_mituoka.jpg東京大学 名誉教授の光岡知足先生によると、「腸内には先住の細菌がたくさん存在しており、外来の乳酸菌は排除され繁殖できないと証明されています。そのため、乳酸菌の効果の発揮については菌の生死よりも、菌体成分によるところが大きいと考えています。その点から、免疫機能を高めるためにナノ化させることは、着眼点としては非常に興味深いと思います。」とのこと。

乳酸菌も種類を選んでとりかたを工夫したほうが効果が大きいようです。これは意外な発見です。

hasegawa_rigji.jpgまた、共同研究者であるNPO法人日本サプリメント臨床研究会 長谷川秀夫代表理事によると「ラブレ菌はインターフェロン-αの産生能などを高めることが報告されており、その免疫賦活作用により、「感染症」や「がん予防」への応用が期待されている、今回の研究を通じて、『乳酸菌の粒子径が1μm程度の大きさであることが、長寿免疫(Th1 応答)を誘導するうえで好ましいと言える』ことがわかりました。また、乳酸菌の大きさから免疫を論ずるこの概念は、これまでになく非常に新鮮で、『免疫における乳酸菌の役割』というテーマに新しい展開を予感させるものと言えます。将来的には『医薬品に匹敵する食品』として、医師が選択し推奨してくれる食品の実用化を目指しています」と講演されました。

医薬品に匹敵する食品というのは、すごいですね。日常生活で普段の食事から健康になれば、それが一番。日本で発見されたラブレ菌が、日本の技術でさらに有用になる。昔から親しまれていた漬物から生まれた和製乳酸菌であるラブレ菌のさらなる活用は要注目です。

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