その4 ALTA療法を支えるお薬の秘密
その4 ALTA療法を支えるお薬の秘密
前回、岩垂先生から改めてご説明いただいた「ALTA療法」。もう少し調べてみました。
この療法が実施されるようになったのは3年ほど前からのようですが、これまで手術しかなかった段階の内痔核を、切ることなしに治療できるようにしたということで、かなり話題になっているようです。
そして、この治療に使われるお薬は沖縄の「レキオファーマ」というベンチャー企業で創成され、「ジオン注」という製品名であることも分かりました。ベンチャー、新薬開発、沖縄…意外性のある言葉の組み合わせです。
沖縄のどんな人たちが、どんな想いでこのお薬をつくったのか…「レキオファーマ」のある沖縄県・那覇市まで直接行って調べてきました!
沖縄の観光名所「国際通り」にもほど近いビルの中にその会社はありました。
日本の創薬ベンチャー第1号の名声に輝くこの会社ですが、出迎えてくださったのは物腰柔らかな優しい雰囲気が全身から感じられる女性。
この人こそ、レキオファーマ代表取締役の奥キヌ子さん。ジオン注を創った方です。
○ きっかけは、中国での体験
社長室に通していただき、ゆったりとした雰囲気の中でインタビューは始まりました。
Qlife:奥さんが痔のお薬をやろうとお思いになったのには、どんなきっかけがあったのでしょう。
奥キヌ子さん(以下奥):実はわたし、医薬の研究者でもないですし、知識もあまり持ち合わせていませんでした。創薬に関わる前は貿易業をやり、その後飲食店を経営しておりました。
Qlife:そうなんですか。分野としては全然違いますよね。
奥:そうなんですよ。1980年代のことなんですが、学生時代の中国語クラブの先輩に中国で興味深い治療をやっていると聞いて関心を持ち、中国へ行ったんです。それがきっかけですね。
Qlife:中国?…意外な感じですね。どういった治療だったのでしょうか?
奥:中国では当時から「消痔霊」というお薬がありまして、それを使って注射による痔の治療をしていました。ALTA療法の原型ですね。その治療を見せていただいたわけです。私の知り合いで痔に大変悩んでおられた方を連れて行って治療してもらったんです。そうしたら、その方は症状がとても回復されたようで、歩くのも辛そうだったのが治療翌日からもうすっかりと!…その様子にとても感銘しました。
Qlife:その様子を目の当たりにして、ぜひ日本でも…ということですね。
奥:そうです。これだ!と思いました。これなら痔で悩んでおられる方々のお力になれるんじゃないかと。それが1988年だったかな。それから研究のための会社を起ち上げて、机ひとつ、私を含めて6人で研究を始めました。
ごく普通に起業したと語る奥さん。しかし、当然ながら起業はそんなに簡単なことではありません。
ものすごい情熱と行動力を感じました。
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