日本初の「患者による患者のためのガイドライン」できた

患者が主体になって一般向け診療ガイドライン『家族と専門医が一緒に作った小児ぜんそくハンドブック2008』が作られた。診療ガイドラインとは、いわば医療行為の”基本参考書”。(注:詳しくは、QLife SQUAREの過去記事 『診療ガイドラインとは』。そして”一般向け”のガイドラインは、患者が自分の病気や治療法について知りたい時の手助けとなるように医学的な情報や専門医の助言をまとめた文書。そんな高度なものに、患者がちょっと「参加」するだけでも難しそうだが・・・なんと今回は「作成主体」になったという。これは日本で初めてのことで、世界でも類のないことのようだ。
何からどう手を着けたのか?初めてのことばかりで、戸惑いもあったに違いない。医師のなかには患者が作成することに反対する人もいたのではないか。作成チームの”調整役兼進行役”を務めた、コーディネーターの渡辺千鶴さん(日本患者会情報センター)にお話を伺った。
■ガイドライン作成への患者参加が始まったのは、2004年頃
Q:反響が良いそうですね。
A:発売一ヶ月で重版になったと聞いています。一般向けの診療ガイドラインの本として、こんなに反響があるのは初めてだそうです。NHKのニュースや新聞社など、15社以上のマス・メディアが取り上げてくれました。やはり「患者が主体となって作成した」という点がマスコミの大きな関心を呼んだようです。

ガイドラインの表紙(協和企画、1575円)
Q:医師は、この本を見て、どんな反応をしますか?
A:このハンドブックが初めて発表された学会の会場で、関係者が、何人もの有名な専門医から「良い本ができたね」と声をかけられたそうです。また、開業医の先生からの評判もよく、「読みやすい」「生活の視点が盛り込まれているので、参考になる」「患者に伝える時のポイントがよく分かる」などという感想が届いています。
Q:患者がガイドライン作りに関わるのは、そんなに画期的なことなのですか?
A:例えば英国では、「2名以上の患者・支援者の参加」が制度化されています。日本でも「患者の意向が考慮されているか」が診療ガイドラインの質の評価項目に含まれていますが、「参加」を制度化するには至っていません。そして実態としても、2004年頃から一般向け診療ガイドラインを作成する際に患者・支援者(家族等)が参加する動きが出ていましたが、今回のように、患者さんが主体となって作成したのは初めてのことです。

英国の政府機関(PPIP)を視察
Q:いきなり初めてのことに取り組んで、戸惑いはなかったのですか?
A:日本患者会情報センターは、京都大学の中山健夫教授が主任研究者を務める厚生労働省の研究班の研究協力者になっていまして、2006年度に診療ガイドライン作成の場に患者が参加する際の手順をまとめた「診療ガイドライン作成過程への患者・支援者参画のためのガイドライン」(Patient Involvement Guidelines、以後PIGLと略記)を開発しました。その際に、私も先に挙げた英国の仕組みを視察して学ぶ機会に恵まれました。
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