診療所での実地診療研修

[病院を知ろう!プロジェクト] 2010/01/29[金]
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帝京大学が地元診療所と連携して開始「医学生が地域診療を実践的に学ぶ」画期的プログラム

⇒この記事の先頭は帝京大学帝京大学が地元診療所と連携して開始「医学生が地域診療を実践的に学ぶ」画期的プログラム です。

診療所での実地診療研修

 それでは「地元診療所での実習」の様子を見てみましょう。対象は6人の5年生です。2人づつ、3グループに分かれて、それぞれ別の診療所に赴きました。そのひとつ、内田医院での実習グループに同行取材をいたしました。

 「担当指導医にマンツーマンではり付いて学ぶ学生」という構図を想定していたのですが、実際には違いました。診療所の現場は戦場。患者さんは、入れ替わり立ち替わりで診察室、処置室、検査室を移動します。院内スタッフも、混雑する待合スペースの間をぬって、小走りに動き回っています。そのスピード感のなかに2人の学生さんは巻き込まれていきました。じっくり考察したり、丁寧にメモを取ったりしている暇はありません。
 予診を担当していたかと思えば、手を切って血だらけの患者さんの処置で急きょ助手に駆り出されたり、「今度は、あっちの先生について」と内田院長から指示されたりします。高齢の患者さんに「薬は飲みたくない、どうしても飲まないといけないの?副作用がでたらどうするの?逆に飲めばパタンと倒れる心配はなくなるの?」と問い詰められて、ベテラン医師がどう対応するかを横でじっと見ます。さらには、患者さんの呼び込みも体験します。「○○さーん。」大声を出すのに慣れていませんから、本人には聞こえないようです。なかなか患者さんが来てくれないので、待合室まで出て行って再度の呼びかけをします。確かに、大学病院では経験できない「地域医療の現場」がそこにはありました。

患者さんの反応

 学生さんに接した患者さん7名に「このような、診療所での学生研修をどう思いますか?」とインタビューしてみました。結果は、「積極肯定派:2人、ニュートラル:5人、否定派:0人」でした。肯定派のなかには、こうしたプログラムを受け入れている内田医院を「立派だ」と言う人までいました。患者さんとの従前の信頼関係がベースにあるためかもしれませんが、これだけ前向きな反応が出てくるとは驚きました。

  • 「私なんて、分娩の時に5、6人の研修生に見られたこともある。1人、2人なんて気にならない。」(高齢女性)
  • 「若い人を育てるのは、当たり前。美容院だってインターンやるんだから。」(初老の女性)
  • 「暗いところだったから、気にならなかった。1人だったし。先生が研修生に説明している内容は、自分のことでもあるので気になって耳を澄ませていた。(結果的に聞ける情報量が多くなるので)それは良かった。」(頸部エコー検査を受けた女性)
  • 「なかなか真剣に、よく診てくれた。混雑している時にはちょっと困るかもしれないけれど・・・」(高齢女性)
  • 「当然のこと、むしろ社会に必要なこと」(健診で来ていた元消防隊の男性)
  • 「いいんじゃない。まだこのお医者さんに通院し始めたばかりで、よく分からないけれど。」(点滴を受けた中年女性)
  • 「気にならなかった。1人ならいい。」(若年男性)

診療所側のメリット

 なぜ、内田院長は学生実習を受け入れているのでしょうか?第一の理由は、井上教授の提唱する「プライマリ・ケア医」像に共鳴しているからということでした。すなわち、「まずは、どんな患者さんでも、診たい」「そこでもし高度医療が必要だと判断すれば、ちば総合医療センター(帝京大学)にご紹介し、精査加療をしていただく。逆紹介で戻ってきた後は再び自分が責任もって診させていただく」、そんな病診連携ケースをもっと増やしたいとお考えのようです。
 「患者さんにとっても勿論良いことですが、自分の医師キャリアにとってもプラスになるのです。手術検体の写真や内視鏡検査の写真等が、患者さんと一緒にセンターから戻ってくると、対処の様子や症状改善の様子がリアルに分かります。専門分野以外で自己研鑚しようと思うと、実際の患者さんの治療・症状変化を時系列で見るのが、最も有意義なのです。医師とって大事な生涯学習になるのです。」

さらには、以下のようなメリットを挙げました。

▼診療所にとってのメリット

  1. 簡単な問診や処置の助手、あるいはカルテ記載(学生がやったことのみ記入)をしてくれると、医師はその時間を他の患者さん対応に充てることができる。
  2. 診療現場では、人手は慢性的に不足している。看護助手として一時的にも助けになる。例えば、高齢患者に手を差し伸べる、処置台から起き上がる時に力を貸してあげる、院内を誘導する、等々。
▼患者さんにとってのメリット

  1. いつもの医師には言いにくいこと、聞きにくいことを、話せる可能性がある。特に、医師に遠慮しがちな高齢者が、“孫世代”の実習生を可愛く感じて気軽に会話する場合もある。

最後に、「実習受け入れを考えている診療所」へのアドバイスも頂戴しました。

  1. 医師は学生の時に似たような経験をして医師になったのだから、積極的に受け入れに協力してあげて頂きたい。
  2. ただし、学生に説明できる時間的、空間的余裕がない時は受け入れない、せっかくやる気と希望を持って来た学生に申し訳ない。
  3. 学生の待機場所、更衣室、診療後に診療説明ができるスペースが確保できると、運営しやすい。
  4. 患者さんには予め「実習趣旨」を掲示・案内しておいて、敬遠したい患者さんにトラブルが発生しないようにする。
内田医院紹介

 千葉県市原市、姉崎にある診療所。内田威一郎院長は外科・肛門科の専門だが、内科・消化器科・皮膚科・整形外科なども標榜する、文字通りの地域医療医院。
 市原市の医師会長も務めた先代威郎先生の急逝で医院を継いだ内田院長は、「井上教授の、地域医療にかける想いに、共感をした」と言い、また井上教授も「地域医療について、内田先生とはお考えが一致しているとすぐに分かった」と、良いパートナー関係にあるようだ。

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帝京大学が地元診療所と連携して開始「医学生が地域診療を実践的に学ぶ」画期的プログラム

  1. プライマリ・ケア医とは、私達と同じ目線で考えてくれる人
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  3. 「地域医療の診察室さながら」の講義
  4. 受講した学生のナマの声

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