高脂血症は死に直結したサイレントキラー
高脂血症は狭心症や心筋梗塞など死に直結したサイレントキラー
アメリカ人並みのコレステロール値となった日本人。高脂血症に高血圧、喫煙等の危険因子がさらに加わると虚血性心疾患の発症率が飛躍的に増加!
取材協力/寺本民生教授・帝京大学医学部付属病院内科
平均総コレステロール値がアメリカよりも上回った日本の若年世代
「コレステロールの値が高いですね」
「高脂血症ですから注意してください」
健康診断で医師からこんなことを告げられたのに、かならずしもきちんとした危機感を持つ人は多くありません。
高脂血症とは、血液中に含まれるコレステロールや中性脂肪などの脂肪成分(脂質)が増えた状態です。とりわけ、コレステロール値が高くなると動脈硬化が促進され、狭心症や心筋梗塞など死に直結する重大な虚血性心疾患を招くことから医師の注意を受けるのです。しかし、コレステロールが高くても別に痛くも痒くもないことから、真剣に向き合わない人が後を絶ちません。
「心筋梗塞などの虚血性心疾患は、がんや脳卒中と並ぶ日本人の3大死因の1つです。コレステロール値が高くなればなるほど虚血性心疾患の発症頻度は上昇します。高脂血症は『もの言わぬ沈黙の病気』であり、『サイレントキラー』だからこそ怖いのです」と帝京大学医学部付属病院の寺本民生教授(内科)は指摘します。
私たちの健康にとってコレステロールの重要性が改めて認識されたのは、第1次大戦中と第2次大戦中、欧米において食糧不足から狭心症と心筋梗塞が減少したという疫学的事実によっています。そして、戦後まもない1948年、米国ボストン近郊のフラミンガムという小さな町で、住民を対象とした虚血性心疾患の研究(フラミンガム研究)が始まり、血液中の総コレステロール値が220㎎/dlを超えると加速度的に虚血性心疾患の発症が増加するという驚くべき事実が明らかにされたのです」(寺本教授)
一方、かつて日本人のコレステロール値は欧米人と比べ非常に低かったので、コレステロールや虚血性心疾患があまり問題にならなかったのも事実です。しかし、戦後、食生活の欧米化が進み、動物性脂肪やコレステロールを沢山摂るようになったので、日本人の総コレステロール値は大きく様変わりしたといえます。
「とくに若い世代では著しいといえます。0~19歳の日本人の平均総コレステロール値は1960年が159㎎/ dlだったのに、90年に170㎎/ dlにのぼり、2000年に183㎎/ dlに達し、いまやアメリカの同世代を追い抜き上回っているのです。中高年世代においてもアメリカに迫る上昇傾向が認められ、否応なしに狭心症や心筋梗塞の発病者数は急増してきているのです」(寺本教授)
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