抗コレステロール薬の処方に疑問を持ったら、主治医と十分な相談を

[教えて!ドクター] 2008/04/09[水]
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抗コレステロール薬の処方に疑問を持ったら、主治医と十分な相談を

薬物療法の開始時期は人によって異なってきますが、一般的には食事療法や運動療法を3ヵ月間続けてもコレステロール値が下がらない場合や、すでに動脈硬化が進んでいるなどの場合は薬による治療に移行します。
コレステロールを下げる抗コレステロール薬は大きく分けて3種類があります。
「1つは肝臓におけるコレステロールの合成を阻害し、LDL受容体(悪玉コレステロール=LDLを細胞に取り込む仕組み)を活性化させることで、強力にコレステロールを下げるHMG―CoA還元酵素阻害薬(商品名メバロチン、リポバス等)です。次の陰イオン交換樹脂などほかの薬とうまく併用するとコレステロール値が約50%低下します」(寺本教授)
もう1つは胆汁酸と結合して腸からの脂肪の消化吸収を抑え、食事から摂るコレステロールを減らす陰イオン交換樹脂(商品名コレスチラミン、コレバイン等)です。長いこと使われてきた実績から信頼性が高いのですが、コレステロール値を下げる効果はやや低く10~12%程度です。

あと1つは血液中のコレステロール値を下げるプロブコール(商品名ロレルコ、シンレスタール等)です。コレステロール値を約15%下げますが、善玉コレステロール(HDL)も下げてしまうという難点もあります。
重要なのは抗コレステロール薬の処方が、医師によってだいぶ異なることです。総コレステロール値が220㎎/dlの人にすべて処方する医師もいれば、総コレステロール値が250㎎/dlを超えても処方しない医師もいます。
「私はコレステロール値以外に、動脈硬化の危険因子が認められない患者さんならば、基本的に総コレステロール値が240㎎/dlまでなら抗コレステロール薬を基本的に処方しません。体重を減らしたり、食事内容を肉から魚や野菜・海草類中心に変えたりするだけで、容易に総コレステロール値を下げられるからです」(寺本教授)
ただし、コレステロール値以外、本当に動脈硬化の危険因子がないのかは、さまざまな検査を行わなければわかりません。もしコレステロール以外に、高血圧をはじめ、糖尿病や喫煙歴、あるいは家族の中に狭心症や心筋梗塞などを患った人がいるなどの危険因子を抱えている場合、総コレステロール値が220㎎/dl以下でも抗コレステロール薬を処方することがあります。
「抗コレステロール薬の処方に疑問を持ったときは、動脈硬化の危険因子の有無などについて主治医とよく相談することが必要です」(寺本教授)
間違っても自分勝手に抗コレステロール薬の服用をやめたりすることはやってはいけません。
高脂血症は「もの言わぬ病気」であり、死に直結する狭心症や心筋梗塞を招く「サイレントキラー」であることを肝に銘じ、医師と二人三脚で治していくことが求められます。

●取材・文/松沢 実・医療ジャーナリスト
Contents By カルナの豆知識

20080410_writer.jpg寺本民生教授(てらもとたみお)
帝京大学医学部付属病院内科

1973年東京大学医学部卒業後、同大医学部第1内科医局員に。米国シカゴ大学留学、東大医学部付属病院第1内科医局長。帝京大学医学部第1内科助教授を経て、97年から現職。わが国の高脂血症や動脈硬化、脂質代謝などの分野の第1人者で、日本動脈硬化学会の理事などを務める。『高脂血症』(梧桐書院)、『動脈硬化・高脂血症を治す』(保健同人社)、『専門医が治す! 高脂血症』(高橋書店)など著書多数。

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