カギを握る脂肪細胞が合成・分泌するアディポサイトカイン

[教えて!ドクター] 2008/04/09[水]
このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをFC2ブックマークに追加この記事についてつぶやく

カギを握る脂肪細胞が合成・分泌するアディポサイトカイン

 ご存じのように身体の脂肪細胞はエネルギーを備蓄するためにあります。食べ物が枯渇したときに生き延びるための機能で、人類はこの脂肪細胞の働きによって今日まで絶滅を回避して生きながらえてきました。
 「脂肪細胞に関する近年の研究は、めざましい進歩が見られます。そのうちもっとも大きな研究成果は、身体の脂肪細胞がエネルギーを備蓄する働きだけでなく、さまざまな生理活性物質(サイトカイン)を分泌する細胞であるという事実がわかってきたことです」(宮崎部長)
 脂肪細胞は英語で「アディポサイト」と呼びます。アディポサイトから分泌されるサイトカインを総称して「アディポサイトカイン」といいます。
 アディポサイトカインにはさまざまな種類が存在します。インスリンの働きを阻害して糖尿病を引き起こす腫瘍壊死因子(TNF ―α)をはじめ、高血圧と関連するアンジオテンシノーゲン、血栓の形成に関係し心筋梗塞や脳卒中の原因となるプラスミノーゲン活性化因子(PAI―1)などで、脂肪細胞から大量に分泌されて動脈硬化などの発症に強く関連しています。
 アディポサイトカインには悪玉と善玉と2つのタイプが存在します。先のTNF ―αやアンジオテンシノーゲン、PAI―1は悪玉の代表で、善玉アディポサイトカインの代表が「アディポネクチン」です。

内臓脂肪の増加によってアディポネクチンの合成・分泌量が低下

 「アディポネクチンは脂肪細胞がつくるアディポサイトカインの中でもっとも大量につくられるものです。糖尿病や高血圧、炎症、動脈硬化などの病的変化を強力に阻止する『消防隊』のような働きがあり、世界的に大きな注目を集めています」(宮崎部長)
 アディポネクチンは血液の中に大量に含まれ、糖尿病や高血圧、高脂血症、動脈硬化などを予防する働きがあるのです。とりわけ血液と一緒に全身をめぐり、傷ついた血管を見つけると素早くそこに入りこんで修復してしまいます。
 「しかし、脂肪細胞におけるアディポネクチンの合成・分泌量は、内臓脂肪が蓄積すると低下するという性質があります。全身の脂肪細胞におけるアディポネクチンの合成・分泌量が、内臓脂肪の増加によって低下してしまうのです」(宮崎部長)

 一方、TNF ―αなどの悪玉アディポサイトカインは内臓脂肪の増加によってさらにその合成・分泌量が増えるという性質を有しています。そのため内臓脂肪が蓄積するに従い高血圧や糖尿病、高脂血症が進展し、脳卒中や心疾患を発症させやすくなってしまうのです。(Contents By カルナの豆知識

記事一覧:中高年の2人に1人はメタボリック・シンドローム!

  1. 中高年の2人に1人はメタボリック・シンドローム!
  2. 糖尿病の発症率は5~9倍 心筋梗塞や脳卒中は約3倍
  3. カギを握る脂肪細胞が合成・分泌するアディポサイトカイン «
  4. 内臓脂肪は皮下脂肪と比べて溜まりやすく減りやすい

みんなの感想:この記事はあなたの健康に役立ちましたか?

とても参考になった まあまあ参考になった 普通だった 参考にならなかった
0% 0% 0% 0%
一言感想

この記事を読んだ人は他にこんな記事も読んでいます。


記事の見出し、記事内容、およびリンク先の記事内容は株式会社QLifeの法人としての意見・見解を示すものではありません。
掲載されている記事や写真などの無断転載を禁じます。

相談できる病院を探す

  • 漢方 漢方のことはお医者さんに相談
  • 漢方 漢方のことはお医者さんに相談
  • 糖尿病 糖尿病が気になる方はこちらから
  • 脳卒中、認知症など 日本神経学会認定神経内科専門医
QLife会員新規登録はこちら
注目トピックス
人気記事ランキング
健康・医療の記事一覧
医療機関のみなさまへ
QLife漢方-漢方の医学的・科学的情報をわかりやすくお伝えします。
QLifeがん-がん治療についてのさまざまな情報をわかりやすくお伝えします。