内臓脂肪は皮下脂肪と比べて溜まりやすく減りやすい

[教えて!ドクター] 2008/04/09[水]
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内臓脂肪は皮下脂肪と比べて溜まりやすく減りやすい

 メタボリック・シンドロームを解消するには、内臓脂肪型肥満を克服しなければなりません。幸いなことに過剰なエネルギー摂取で素早く蓄積される内臓脂肪は、空腹や運動によってすみやかにエネルギーを放出します。
 「皮下脂肪は出し入れの面倒な定期預金ですが、内臓脂肪は出し入れが簡単な普通預金にたとえられます。内臓脂肪は皮下脂肪に比べて、溜まりやすく減りやすいという特徴があるのです。内臓脂肪型肥満は食事療法と運動療法を一体的に進めればたやすく克服できるので、ぜひ減量を試みてください」(宮崎部長)
 食事療法の第1の基本は、満腹になるまで食事を摂らないことです。常に腹八分目を心がければ、満腹にならなくても食事が楽しめるようになります。
 「食事療法の第2の基本は、間食を避け、寝る3時間前は食べないことです。寝る直前に食べたものは消費できず、内臓脂肪が蓄積してしまいます」(宮崎部長)
 食事療法の第3の基本は、砂糖や油、脂肪分の多い、濃い味付け料理を避けることです。フライや天ぷら、炒め物、照り焼きなどは控え、野菜や海藻などをたっぷり摂ることです。
 食事療法の第4の基本は、アルコールはほどほどに控えることです。お酒はカロリーが高いうえに、つまみも高カロリーのものが多く、過度な飲酒は控えねばなりません。

毎日1万歩のウォーキングで内臓脂肪型肥満が解消

 一方、運動療法の基本は、こまめに歩く習慣をつけることです。
 厚生労働省は『健康日本21』で、健康維持に最適な運動消費カロリーは1週間で2000キロカロリー、1日約300キロカロリーと記しています。体重60㎏の人が時速4㎞のやや早歩きのペースで10分間歩くと約1000歩、約700mの距離に達し、その消費エネルギーは約30キロカロリーにのぼります。運動で1日300キロカロリーを消費するには1日1万歩を歩けばよい計算となります。
 「毎日の通勤の行き帰りに1万歩を歩いたり、エレベーターに乗らずに階段を上り下りしたり、運動はちょっとした工夫を凝らすことでいくらでもできます」(宮崎部長)
 わざわざトレーニングジムに通わなくても、内臓脂肪型肥満を解消する運動は可能です。

ライフスタイルの改善が基本 無理のない減量を

 内臓脂肪型肥満やメタボリック・シンドロームを解消するには、ライフスタイルの修正が不可欠です。
 「運動療法や食事療法により3~6ヵ月で体重を5%減少させ、約1年で体重の5~10%の減量をはかることが理想的です」(宮崎部長)
 無理な減量はリバウンドを招くだけなので、ゆっくりと着実に減量することが大切です。
 もちろん、ライフスタイルの修正だけで高血圧や高脂血症、糖尿病などの個々のリスクファクターが軽快しない場合、個別の疾患に即した薬物療法が必要となります。ただし、栄養の過多と運動不足による内臓脂肪型肥満を基礎としたメタボリック・シンドロームは、薬物療法のみで解消できるものではありません。食事療法や運動療法などによるライフスタイルの改善を根本に据えることがもっとも重要なことといえるでしょう。(Contents By カルナの豆知識

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宮崎 滋 部長 東京逓信病院内科(内分泌・代謝)
1947年生まれ。71年東京医科歯科大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院第1内科、都立墨東病院内科に。76年東京逓信病院内科、同病院内科主任医長を経て現職に。日本肥満学会理事・評議員をはじめ、日本糖尿病学会専門医・指導医・評議員などを務め、わが国のメタボリック・シンドロームの診断・治療のエキスパートとして広く知られている。NHK 「きょうの健康」などテレビ出演も多く、優しい語り口で人気が高い。『肥満・メタボリックシンドローム診療ガイダンス』(編・著、メジカルビュー社)、『お父さんのためのダイエット読本―効果てきめん! らくらくメニュー』(監修、日本出版社)、『肥満症教室―生活習慣病克服のために』(著、新興医学出版社)など著書多数。

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