脳血管内治療によるコイル塞栓術は、くも膜下出血の有力な治療法

[教えて!ドクター] 2008/04/28[月]
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脳出血の急性期の治療でもっとも重要なのは、再出血による血腫の増大を防ぐことと、血腫による脳内の圧力の上昇を防ぐこと、さらに血腫周囲の脳浮腫の進行を抑えることなどです。

血腫の増大を防ぐために血圧を下げると同時に、脳浮腫の進行を抑えるために抗浮腫薬の点滴投与を行います。また、脳出血に対して手術を行うケースは限られていますが、血腫の部位や大きさ、患者さんの意識状態によっては開頭による血腫除去術や、頭蓋骨に小さな穴を開けそこから針を挿入して血腫を吸引する定位的脳内血腫吸引術などが行われます。くも膜下出血の急性期の治療でもっとも重要なのは、脳動脈瘤の再度の破裂による出血を防ぐことです。頭蓋骨の一部をはずして開頭し、顕微鏡下で脳動脈瘤の根本に金属製のクリップをかける脳動脈瘤クリッピング手術が広く行われています。

「最近は脳血管内治療の一つで、X線で見ながらカテーテルの先端を脳動脈瘤まで誘導し、動脈瘤の中にコイルを詰めて閉塞させるコイル塞栓術も選択されるようになりました。外科の脳動脈瘤クリッピング手術よりも、患者の負担や脳に対する影響が少ないという利点があります」(植田センター長代理)

患者さん1人ひとりの病状の違いや、動脈瘤自体の場所や大きさ、形の違いなどを見極め、開頭手術によるクリッピング手術か脳血管内治療によるコイル塞栓術かを選択します。
いずれにしても、脳卒中の発作直後の急性期の検査や治療などが、重大な後遺症を残してしまうか否かを大きく左右します。あらかじめ脳卒中を起こした場合はどこの病院に行けばいいのか、どのような検査と治療を受ければいいのかをきちんと把握しておくことが大切だといえるでしょう。

0421dr.jpg植田敏浩(うえだとしひろ)
東京都済生会中央病院脳卒中センター長代理/脳血管内治療科医長

1960年兵庫県生まれ。愛媛大学医学部卒業後、同大学大学院を修了し、同大学附属病院脳神経外科助手に。96年米国アイオワ大学放射線科(神経放射線部門)に留学し、その後、同大学放射線科及び脳神経科兼任の客員講師を務め、脳血管内治療部門において脳卒中患者の治療にあたる。99年愛媛大学附属病院脳神経外科に復帰後、2002年横浜市立脳血管医療センター脳卒中診療部へ。06年東京都済生会中央病院脳血管内治療科を新たに開設。6月、同病院に脳卒中センターを設立し、センター長代理として脳卒中の治療の中心として活躍している。

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