その不快な症状は病気(シェーグレン症候群)のせいかもしれません。口の中の違和感、舌のザラつき、ヒリヒリ感に要注意

[教えて!ドクター] 2009/07/17[金]
このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加この記事についてつぶやく

おすすめ健康・医療特集

 「口の中がはれぼったく違和感がある」「ヒリヒリする」「舌がザラつく」、そんな不快感の多くが、実は口の渇きが原因であるのをご存じですか? さらに、こうした症状の中には病気が潜んでいるケースもあるとのこと。九州大学大学院・教授の中村誠司先生に詳しく聞きました。

九州大学大学院 歯学研究院 口腔顎顔面病態学講座
九州大学病院 顎顔面口腔外科
教授 中村誠司先生

こんな症状はありませんか?
口の中がヒリヒリする
舌がザラつく
パンやせんべいなどがうまく飲み込めない
味がわからなくなった
唾液がネバネバする

こんな症状や悩みに心当たりはありませんか?

その不快な症状は病気(シェーグレン症候群)のせいかもしれません。口の中の違和感、舌のザラつき、ヒリヒリ感に要注意

●唾液が出にくくなるといろいろなトラブルが

 口の中をやけどしたときのような違和感や、ピリピリした感じが気になって、鏡でのぞいてみたが何ともない…。
 見た目での変化がないため、こうした不調を訴えても、気のせいや年のせいと思われるような症状の中に、口や目など体のあちこちが乾燥して、関節が痛んだりするシェーグレン症候群という病気が原因のことがあるので注意が必要です。
 最近では、こうした訴えで受診する人を検査すると40~50%にシェーグレン症候群が見つかるとの報告もあります。シェーグレン症候群の代表的な症状のひとつが口の渇き(ドライマウス)です。この病気では、唾液腺の働きが低下してしまうため、唾液が出にくくなります。そのため、口の中にいろいろな不快な症状が出てくるのです。
 また唾液には、食べ物を飲み込みやすくする、味わうなどの役割があります。唾液が減ると、水を飲まないとうまくしゃべれなくなったり、味覚がわからなくなって、料理の味つけができなくなるといった不都合も。
 シェーグレン症候群は、若い女性にもときどき見られますが、圧倒的に中・高年女性に多いため、更年期障害や、ときには老人性うつ病など精神的な病気と間違えられることもあります。

●症状には個人差が 関節痛や疲れやすさも

 シェーグレン症候群の症状はさまざまで、個人差が大きいことが特徴です。多くの人は口や目の慢性的な乾燥症状だけですが、関節が痛い、疲れやすいなどの全身症状があらわれる人もいます。全身の外分泌腺の働きが低下するため、口や目以外にも、乾燥症状がみられます。汗が出にくくなるため肌が乾燥したり、腟の乾燥により性交痛が起きることもあり、生活の質の低下を招きます。
 この病気の名前は、スウェーデンの眼科医ヘンリック・シェーグレンが発見したことに由来します。リウマチと同じ膠原(こうげん)病のひとつで単独で発病する場合と、他の膠原病に合併して発病する場合があります。リウマチに合併することが多く、リウマチの症状とともに乾燥症状がみられることがあります。
 まずはチェックリスト(冒頭)で確認を。気になる症状のある人は、シェーグレン症候群やドライマウスに詳しく診断基準に基づいた各種検査ができる医療機関を受診し、治療が必要かどうか相談するといいでしょう。

●「たかが口の渇き」で、なぜ治療が必要なの? どんな治療をするの? 日常生活での注意事項は?

 「自己免疫疾患」とは、本来、自分の体を守ってくれるリンパ球が、間違って自分の臓器を敵と思って障害してしまうことですが、その原因は今のところ特定できていません。
 シェーグレン症候群の場合、主に唾液を作る唾液腺、涙を作る涙腺が障害を受けるため、唾液が減る、涙が減るという症状が出てきます。原因は、遺伝的要因、環境的要因、ウイルス感染なども考えられるため、だれでもかかる可能性があります。
 残念ながら、この病気を根本的に解決することは難しい状態にあります。しかし、薬によってその不快感を軽くすることができます。口の渇きには、唾液を分泌させるピロカルピン塩酸塩という薬があり、これを上手に調整しながら服用すれば、症状を消すことができます。
 また、薬だけに頼らないことも大切。食事をよく噛んで食べる、唾液の分泌を促進するような食べ物を積極的に取る、歯磨きなどの口腔ケアをきちんと行うなど日々の努力も必要です。
 口の中が乾いたらシェーグレン症候群も含めていろいろな原因が考えられるので、まずは歯科口腔外科の専門医の診断を。通常の治療は一般の歯科で十分に対応できます。ただ、シェーグレン症候群の人は、ほかの合併症が出ることがあるので、定期的に専門医の診察を受けましょう。
 適切な対応をすれば、口の中の潤いも保てます。口の中が潤えば、生活も潤います。上手に対応すれば生活の質(QOL)を落とさず生活できる、そういう病気です。

シェーグレン症候群をもっとよく知るには

●ドライマウス、ドライシンドローム(乾燥症候群)、シェーグレン症候群など、「かわき」が気になる方向け情報をご提供。(http://www.kissei.co.jp/theater/kawaki/index.html

みんなの感想:この記事はあなたの健康に役立ちましたか?

とても参考になった まあまあ参考になった 普通だった 参考にならなかった
78% 12% 4% 6%
一言感想

この記事を読んだ人は他にこんな記事も読んでいます。

記事の見出し、記事内容、およびリンク先の記事内容は株式会社QLifeの法人としての意見・見解を示すものではありません。
掲載されている記事や写真などの無断転載を禁じます。

相談できる病院を探す

QLife会員新規登録はこちら
注目トピックス
人気記事ランキング
健康・医療の記事一覧
医療機関のみなさまへ
QLife漢方-漢方の医学的・科学的情報をわかりやすくお伝えします。
QLifeがん-がん治療についてのさまざまな情報をわかりやすくお伝えします。