「感染」のメカニズムを知っておこう
みなさん、こんにちは。健康塾コラム担当、現役ナースのTSUBAKIです。
これまでも色々な感染症の予防対策についてお伝えしてきましたが、今回は少し視点を変えて「感染」そのもののメカニズムと、感染症に負けない身体づくりについて考えてみます。寒い時期は体力の低下とともに、免疫機能の低下もみられるので、感染症を発症しやすくなってしまいます。これを機に、これからの時期、生活を少し見直してみませんか?
「感染する」「発症する」とはどういうことか
病原微生物(細菌やウィルス、以下「病原体」)が人の体内へ入り込んだ時点ではまだ「感染」ではありません。その病原体が人の体内で定着した時、初めて「感染した」といえるのです。さらに、この段階は、まだ「病気になった」訳ではないのです。「感染した」人の免疫機能が体内に入り込んだ病原体に負け、何らかの症状が出る。その時点で「感染症の発症」、いわゆる「病気になった」状態となります。

病原微生物と免疫機能の戦い
人の免疫機能は、主に血液やリンパ液の中にある白血球やリンパ球と呼ばれる細胞が関係していて、その役割や形状などで細かく分かれています。その中でも感染症に特に関係しているものを挙げてみます。

人の身体に何らかの病原体が侵入すると、それぞれの細胞たちが自分の役割で働き始めます。
- 【STEP1】
- マクロファージやナチュラルキラー細胞が病原体を攻撃。マクロファージはその情報を他の免疫細胞に伝えていきます。
- 【STEP2】
- 情報を受け取ったヘルパーT細胞がキラーT細胞に攻撃の準備を、B細胞に抗体の産生を命令します。
- 【STEP3】
- 劣勢の場合、キラーT細胞が攻撃を行います。
- 【STEP4】
- 優勢の場合、サプレッサーT細胞が攻撃力を調整します。
病原体に対し、免疫機能が勝てば「発症」しませんし、さらに病原体が消えてしまえば「感染」も起こりません。ですが、免疫機能が病原体の力に追い付かず、病原体が身体の中で定着すると「感染」、それによって何らかの症状が出ると「発症」となってしまいます。また、まれに免疫機能と均衡を保ちながら生存し続ける病原体もあります。この場合は「感染」止まりの状態が一定期間続き、体調が悪くなるなど、免疫機能が一時的に力を失った時に「発症」します。
感染症に負けない身体つくり
これまでもインフルエンザなどの呼吸器感染にはマスクとうがい・手洗い、ノロウィルスやO-157などの胃腸炎には手洗いと食材の管理が重要とお話してきました。ですが、どれだけ気を付けていても病原体を全く身体の中に入れない、ということはできません。さらに今の様な寒い時期には体力が落ちやすく、免疫機能も落ちてきます。年末年始の暴飲暴食のツケもそろそろ出てきますし、これから年度末に向けて忙しくなる人も多いでしょう。そうなると、様々な病原体に感染しやすくなります。
仮に病原体が身体の中に入った場合、免疫機能がしっかり働けば感染は起こしません。そのためには、バランスの良い食事としっかりとした休養を心がけ、もともとある免疫機能を高めるような努力が必要です。高齢者や乳幼児が感染しやすいと言われるのは、栄養がしっかり摂れていない、摂っても免疫機能を高める力が弱い、といったことが原因として挙げられます。また普段から運動する習慣がある人は、摂った栄養からしっかりとした免疫細胞を作り出すことができますので、丈夫な身体が作られるのです。日頃からの規則正しい生活、体力増進が、健康で長生きする秘訣なのです。
参考資料:国立感染症研究所 感染症情報センター サーベイランス
30代後半の現役ナース。結構ながーいブランクがある。
いわゆるお勉強はキライだが、調べ物は大好き。
好きな言葉は「笑う門には福来る」。
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理解しやすかったです
Posted on 2012.02.1 19:20:30 by 一言感想