腹腔鏡補助下肝切除術とは

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2009年05月01日現在

適応される症状 部分切除及び外側区域切除を除く。
技術概要 4から5本のトロカーを用い腹腔鏡下に胆嚢摘出と後腹膜からの肝の剥離・授動を施行後、右肋弓下に約8cm-10cmの小開腹をおき、この部位から腹腔鏡補助下に肝実質切離操作を行う。創が小さく用手的な肝圧排操作ができないため、liver hanging maneuverを用いて肝切離操作を行う。これにより肝静脈系出血の軽減のみならず肝切離面の展開が容易となり、肝切離の目標ともなる。また、出血量を軽減し良好な視野で手術を行うため、肝切離前に肝離断面を必ずラジオ波前凝固する。肝静脈などの太い脈管の切離は主に自動縫合器を使用する。切除肝は小開腹創より回収する。基本的に従来の開腹肝切除手技の応用であり、小切開創から直視下に血管処理や肝切除を行うため、内視鏡外科手術につきまとう自由度の低下による危険は無い。逆に、腹腔鏡を用いることで良好な視野のもと細かな手術が可能となり、出血および術後合併症の発生を軽減する可能性がある。小開腹創から行う腹腔鏡補助下での肝切離操作は開腹手術手技と同様であり、安全性は保たれている。本手術を施行するにあたっては、本術式は保険収載されていない術式であること、肝切除が潜在的に持つ出血などのリスクは本術式でも同様であること、開腹術に移行した場合は内視鏡外科手術の利点は失われること等を患者に説明する。

「新しい医療」とは、近年に先進医療と認定されたことがあるものの、一定の期間が過ぎて効果や危険性が充分確認された後、現在は削除(承認取消等)されている高度な治療法です。QLife独自の呼称です。
保険適用の治療法になる場合と、保険診療には適さないとされる場合があり、前者の場合は、一般の医療機関でも治療を受けることができます。後者は、比較的に先端的な医療であり一部の患者さんにとっては選択肢として検討に値する場合があります。

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