残存聴力活用型人工内耳挿入術とは

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2014年03月13日現在

適応される症状 両側性感音難聴(高音障害急墜型又は高音障害漸傾型の聴力像を呈するものに限る。)
技術概要 本先進医療を実施するに際し、過去の文献データを基に検討を行い、統計学的に検討可能な症例数として目標症例数を24例に設定した。また、研究期間は、自由音場閾値検査および語音弁別検査を術後12ヶ月の時点で実施するため、患者選定等の期間も加味して3年間とした。本研究における主要評価項目としては、手術前、手術後6ヶ月および12ヶ月時点での自由音場閾値検査及び語音弁別検査の結果に基づき評価を行う。自由音場閾値検査では、手術前と比較して、装用後6ヶ月および12ヶ月の時点で、2000Hz、4000Hz、8000Hzの平均聴力閾値が30dB以上改善した例を改善例と判断する。また、語音弁別検査に関しては、術前および装用開始後6ヶ月及び12ヶ月の時点で、日本聴覚医学会の語音聴力検査用語表(67S)語表を使用し、静寂下で語音弁別検査を行ない、手術前より最高明瞭度(語音弁別能)が改善した場合を改善例と判断するものとした。 手術に関しては、全身麻酔下で耳後部を切開し側頭骨を削開、蝸牛を開窓し電極アレイを挿入、固定する手法にて行う。手術手法自体は、電極挿入の手法が異なる以外は既に保険診療下に実施されている通常の人工内耳挿入術とほぼ同様であるが、通常の人工内耳挿入術と比較し、蝸牛の回転軸に沿った方向から電極を挿入するround windowアプローチを用いることで、低音部の残存聴力を維持・活用することが可能となる。

「新しい医療」とは、近年に先進医療と認定されたことがあるものの、一定の期間が過ぎて効果や危険性が充分確認された後、現在は削除(承認取消等)されている高度な治療法です。QLife独自の呼称です。
保険適用の治療法になる場合と、保険診療には適さないとされる場合があり、前者の場合は、一般の医療機関でも治療を受けることができます。後者は、比較的に先端的な医療であり一部の患者さんにとっては選択肢として検討に値する場合があります。

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