NKT細胞を用いた免疫療法【肺がん(小細胞肺がんを除き、ステージがIIA期、IIB期又はIIIA期であって、肉眼による観察及び病理学的見地から完全に切除されたと判断されるものに限る。)】とは

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  • 先進医療
  • 治療

2017年07月01日現在

適応される症状 肺がん(小細胞肺がんを除き、ステージがIIA期、IIB期又はIIIA期であって、肉眼による観察及び病理学的見地から完全に切除されたと判断されるものに限る。)
技術概要 原発性肺がんは年間死亡者数が7万人を超えて更に増加傾向であり、その大半を占める進行期症例は化学療法により治療されるものの治癒は困難である。完全切除後肺がんに用いられる補助化学療法としての抗がん剤には、シスプラチン,ビノレルビンなどが用いられ、再発死亡率を減少させることが証明されているが、それは10~20%程度と不充分である。NKT細胞は特異的リガンドであるαガラクトシルセラミドにより活性化すると強力な抗腫瘍効果を示すと同時に、他の免疫担当細胞を活性化するアジュバント効果を示し、抗腫瘍効果を発揮する。体内NKT細胞の活性化を誘導するために、末梢血から成分採血で単核球を採取して1~2週間培養を行い、樹状細胞を誘導する。投与前にαガラクトシルセラミドを樹状細胞に提示させ、本人の静脈内へ培養1週目と2週目に点滴投与する。投与されたαガラクトシルセラミド提示細胞が体内NKT細胞を活性化し、抗腫瘍効果を発揮する。進行期または再発非小細胞肺がん患者に対して、本治療法を開発した千葉大学において2001年以降、24例の臨床試験の報告がなされている。本試験の目的は、II-IIIA期非小細胞肺がん完全切除例で、術後補助化学療法後にαガラクトシルセラミドパルス樹状細胞を用いた免疫療法の有無で2群にランダム化する第II相試験を行い、無再発生存期間を主要評価項目として、その有効性、安全性を検討し、新たな治療の選択法を開発することである。予定組み込み症例は片群28例、両群56例である。総試験期間は5年を予定している。

「先進医療」とは、医療制度上で、厚生労働大臣が定めた高度な治療法です。
通常、最先端の治療法は効果や危険性の見極めが不充分なうちは保険診療の対象ではないため、全額を患者が自己負担しなければなりません。ところが「先進医療」に認定された治療法に限っては、保険診療と混合して使うことが出来ます。

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