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内分泌系執筆者:浜松大学健康プロデュース学部心身マネジメント学科教授 竹内修二

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ホルモンの種類

 ホルモンは、特定の臓器において微量に産生される特殊な化学物質です。各ホルモンは、特定の器官、特定の細胞にしか作用せず、そのはたらきの大部分は対象となる細胞の特定の酵素の合成を盛んにして、その酵素が関係している代謝を促進させることです。

 分泌腺器官には内分泌腺と外分泌腺とがあります。

 汗腺、唾液腺、涙腺などの外分泌腺には導管があり、腺細胞で作られた分泌物は導管を経て体の外面や消化器などの体腔内に放出されます。

 それに対して内分泌腺は導管を持たず、分泌物であるホルモンは血液中に分泌され、血液循環を介して、そのホルモンの作用の対象となる器官や組織など、目的のところまで運ばれます。

 内分泌腺には、下垂体、甲状腺、上皮小体(副甲状腺)、膵臓、胸腺、副腎、性腺、松果体などがあります。

全身の内分泌系

内分泌腺

下垂体から分泌されるホルモン

 下垂体は間脳の視床下部から下垂している小指頭大の器官で、下垂体前葉と下垂体後葉からホルモンが分泌されます。

下垂体の位置

 下垂体前葉ホルモンには、身体全体の成長を促す成長ホルモン、皮膚を黒くするメラニン細胞刺激ホルモンなどがあります。成長ホルモンが過剰に分泌されると巨人症になります。

 下垂体後葉ホルモンには、腎臓の尿細管に作用して尿量を調節したり、末梢血管を収縮させて血圧を上昇させる抗利尿ホルモン(バソプレシン)、妊娠末期の子宮にはたらき、分娩を誘発するオキシトシンなどがあります。

甲状腺から分泌されるホルモン

 甲状腺は、喉頭部の前面と両側面に接着する蝶型の扁平な器官。左葉と右葉と峡部からなります。

甲状腺

 分泌が過度の場合にバセドウ病となるサイロキシン、血中カルシウムの濃度を低下させるはたらきのあるカルシトニンなどがあります。

上皮小体(副甲状腺)から分泌されるホルモン

 甲状腺の左右両葉の裏側に甲状腺の皮膜に包まれて上下1対ある米粒大の器官。

上皮小体

 血液や組織のカルシウムの濃度を調節するはたらきのあるパラソルモンが分泌過多になると、骨折しやすくなり、また、尿中にカルシウム排泄が増し尿路結石をおこしやすくなります。

膵臓から分泌されるホルモン

 膵臓は消化腺として膵液を分泌する外分泌部以外に、ランゲルハンス島と呼ばれる内分泌部を持ち、インスリンを分泌します。

 インスリンは欠乏すると血糖が上昇します。過剰に分泌されると低血糖症となります。

胸腺から分泌されるホルモン

 胸腺は、胸骨の後ろ、心臓の上方にあり、思春期以後はしだいに退化して脂肪化します。免疫に関するリンパ球の生産に関係しますが、内分泌腺としての機能は不明です。

副腎から分泌されるホルモン

 副腎は、左右の腎臓に乗っている7~8gの三角形状の扁平な器官で、外側を取り巻いている皮質と中央部を占める髄質からなっています。

副腎

 副腎皮質ホルモンが過剰になると、肥満、高血圧、高血糖や女性の男性化などがおこります。分泌低下の場合では、全身衰弱や低血圧をきたします。

 副腎髄質ホルモンには、アドレナリン、ノルアドレナリンなどがあり、情動の激しい変化、過激な運動などにあうと分泌が増加します。

性腺から分泌されるホルモン

 性腺は、生殖細胞を作る器官で、男性では精巣、女性では卵巣です。男性では精巣内の間質細胞から男性ホルモンが、女性では卵巣の卵胞膜細胞からと、排卵後の卵胞にできる黄体から女性ホルモンが分泌されます。

松果体から分泌されるホルモン

 松果体は、間脳の後ろ上方にある6~7mm、重さ0・2~0・3gの小体です。松果体細胞と神経膠細胞からなり、メラトニンを分泌します。