耳に起こる異常から考えられる主な病気
耳に起こる異常から考えられる主な病気
◆ 耳が痛い
症状 | 疑われる病気 | ||
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耳だれ、耳閉感、難聴、耳鳴り | 発熱 |
▶鼓膜炎
▶急性中耳炎 |
出血、めまい |
▶鼓膜損傷
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かゆみ、灼熱感 |
▶外耳道炎
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頭痛 |
▶耳癤
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圧変動後の耳の痛み、耳閉感、難聴、耳鳴り、頭痛、めまい |
▶航空性中耳炎
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黄緑色の膿性の耳だれ、外耳道のはれ、難聴、顔面神経麻痺、脳神経症状 |
▶悪性外耳道炎
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耳の表面の発赤・はれ |
▶耳介軟骨膜炎
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耳介や外耳道周囲に痛みのある小水疱、顔面神経麻痺、めまい |
▶耳性帯状疱疹
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のどの痛み、発熱、嚥下痛、全身倦怠感、食欲不振 |
▶急性扁桃炎
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◆ 耳だれが出る
症状 | 疑われる病気 | |
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難聴、耳鳴り |
▶慢性(化膿性)中耳炎
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めまい、顔面神経麻痺、髄膜炎・脳膿瘍症状 |
▶真珠腫性中耳炎
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◆ 耳のきこえが悪い(難聴)
症状 | 疑われる病気 | |
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通常、片耳に突然起こる難聴、耳鳴り、めまい、吐き気・嘔吐 |
▶突発性難聴
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重い物を持ち上げる・トイレでいきむなどして起こる難聴、耳閉感、めまい |
▶外リンパ瘻
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中耳の炎症後に起こりやすい、耳鳴り、めまい、吐き気・嘔吐 |
▶内耳炎
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突然起こる激しい回転性のめまい(30分~数時間)、耳鳴り、耳閉感 |
▶メニエール病
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子どもの場合、ほとんどが中耳炎後に起こる難聴、耳閉感、頭が重い |
▶滲出性中耳炎
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耳閉感 | 軽度の難聴、滲出性中耳炎症状 |
▶耳管狭窄症
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多くは急激な体重減少後に起こる、自分の声や呼吸音が響く |
▶耳管開放症
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低音部により高度な難聴 |
▶耳硬化症
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頸部のはれ、耳閉感、物が二重に見える、鼻出血、鼻づまり、頭痛 |
▶上咽頭がん
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片側の難聴・耳鳴り、めまい、顔面神経麻痺、顔面けいれん |
▶聴神経腫瘍
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▶外耳道閉鎖症
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その他 |
▶アデノイド増殖症
▶老人性難聴 ▶薬剤性難聴 ▶機能性難聴 ▶サイトメガロウイルス感染症 |
耳に起こる異常とは?
耳に起こる異常には、外から見えるものと見えないものがあります。前者は、耳介や耳口付近に起こる異常で、はれや発赤などの症状として現れます。後者は、外耳道や中耳、鼓膜、耳管、さらには内耳(迷路)などに起こるもので、痛み、耳閉感(耳の詰まった感じ)、耳鳴り、難聴などの症状として自覚されます。また、耳の奥の障害が原因で耳だれ(耳漏)の起こることがあり、これは外から見てわかります。
耳が痛い
耳の痛みの原因は、耳そのものの病気によるものだけでなく、耳の周囲の病気、また離れた臓器の病気であることもあります。
痛みが持続性か断続的なものか、耳介を引っ張る、食事するなどの動作とともに痛む、また発熱やめまいを伴うなどによって病気を診断することができますが、痛む時は耳に氷嚢、蓄冷剤をあてるなど応急処置をして、至急、耳鼻咽喉科を受診してください。
外耳道炎は、耳かきなどで外耳道の皮膚を傷つけて起こることがほとんどで、普通は放置しておいても自然に治ります。ただし、外耳道に湿疹ができたり、真菌(カビ)が感染したりするとなかなか治りにくくなるので注意が必要です。
急性中耳炎は細菌やウイルスの感染で発症します。近年、薬剤の効かない耐性肺炎球菌や耐性インフルエンザ菌による急性中耳炎が増えてます。そのため、重症化したり、症状が長引くことも多く、最初の治療が大切です。主な症状は耳痛、耳だれ、耳閉感、発熱などですが、小さな子どもでは耳痛を訴えずに発熱のみのこともあります。子どもが発熱とともに耳を気にしている様子がみられる時は、中耳炎を疑って耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。
耳だれ(耳漏)が出る
耳あかが非常に軟らかくアメ状の人がいますが、これは体質によるもので病気ではありません。
また、水泳や入浴の時に耳に水が入ったものが、耳あかに混じってあとから出てくる場合がありますが、これは黄褐色で続けて出てくるものでなければ、まったく心配いりません。
耳だれの出る代表として、まず慢性(化膿性)中耳炎があげられます。鼓膜に穴が開き、そのため、時々あるいは始終、耳だれが出ます。
やはり慢性中耳炎のひとつ真珠腫性中耳炎では、悪臭のあるドロッとした耳だれが特徴です。この病気は、骨を破壊しながら進行するため、時に髄膜炎や脳膿瘍などの重い病気を併発し、命に関わることがあります。
耳だれはかゆみを伴うこともありますが、いじらず、また綿や紙などを外耳道に詰め込むと耳だれがなかにたまって病気を悪化させるため、耳のなかには何も入れず耳鼻咽喉科を受診してください。
耳のきこえが悪い(難聴)
急に高所に登った時など気圧の変化を受けた時、急に耳がきこえにくくなることがありますが、つばを飲み込んだり、あくびをするなどすれば治ります。また、年をとるにつれて少しずつきこえが悪くなりますが、これは老化であって病気ではありません。
聴覚の経路のどこに障害が起こっても難聴になります。
外耳道では外耳道閉鎖症。先天的あるいは後天的に耳の穴(外耳道)が閉じてしまって難聴になるものです。後天的の代表としてサーファーズイアーがあります。冷たい波を受け続けることで、耳の穴が狭くなり、悪化すると閉じてしまいます。
中耳では、前述の慢性(化膿性)中耳炎や滲出性中耳炎。滲出性中耳炎は軽度の難聴以外にほとんど症状がなく、乳幼児では訴えが少なく、テレビの音を大きくしだした、呼んでも振り向かないなどで周囲が気づくことも少なくありません。
内耳では、ある日突然、周囲がグルグルと回る回転性めまいと耳鳴り、難聴が起こるメニエール病。やはり突然起こる、原因がまだよくわかっていない突発性難聴など。
そのほか、上咽頭がんや聴神経腫瘍などでも難聴が起こるので、ほかの症状に加えて耳のきこえが悪いなと感じたら、あるいは周囲が気づいたら一度調べてもらうことが必要です。