グリコアルブミン、1,5-アンヒドログルシトール執筆者:昭和大学病院医学部医学教育推進室教授 高木 康/昭和大学横浜市北部病院病院長 田口 進

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医師が使う呼び方:「グリコアルブミン」。「イチゴエージー」または「エージー」=1,5-anhydroglucitolの略1,5-AGから

グリコアルブミン、1,5-アンヒドログルシトールの基準値

グリコアルブミン(%)1,5-アンヒドログルシトール(μg/ml)
基準値12.0~16.0%14.0以上
血糖コントロールの目安優良16.0未満10.0~13.9
良好16.1から20.06.0~9.9
不良20.1から24.02.0~5.9
きわめて不良24.1%以上1.9以下

血糖のコントロールの指標として有用

グリコアルブミン

 アルブミンは、他の蛋白と同様に一部がブドウ糖と結合しグリコアルブミンとして存在します。アルブミンの半減期は約20日なので、グリコアルブミンは過去1~2週間の平均血糖値を反映し、血糖のコントロール指標として有用です。

 グリコヘモグロビンは過去1~2カ月の平均血糖値を反映していますが、これでは急激に血糖コントロールが改善している場合や逆に悪化している場合には、動きが緩やか過ぎるために反映できず、グリコアルブミンが有用となります。

1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)

 1,5-アンヒドログルシトールは、日常に摂取する多くの食物中に含まれており、経口摂取されます。ふつうの食事による1日の摂取量は、およそ3~10mgとされています。これは、腎(じん)臓の糸球体で濾過(ろか)されますが、そのほとんどが尿細管で再吸収され、1日の尿中排泄と経口摂取量がほぼ均衡するため、血液中の濃度はほぼ一定しています。

 糖尿病で尿中へのブドウ糖が増加すると、尿細管での1,5-アンヒドログルシトールの再吸収は、ブドウ糖と構造が似ているため競合阻害を受け、尿中への排泄が増加します。このため、血液中の1,5-アンヒドログルシトールは減少します。

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出典:四訂版 病院で受ける検査がわかる本 2014年7月更新版