コルチゾール執筆者:昭和大学病院医学部医学教育推進室教授 高木 康/昭和大学横浜市北部病院病院長 田口 進

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医師が使う呼び方:「コルチゾール」

コルチゾールの基準値

2.5~15.5μg/dl

クッシング症候群などで高値に

 コルチゾールは、副腎(ふくじん)皮質から分泌されるステロイドホルモンの一種で、基礎代謝の維持、糖新生・グリコーゲン増加、脂肪合成抑制・貯蔵脂肪の肝臓への移動など、糖と脂肪代謝の調節を行っています。

 また、抗炎症作用、抗アレルギー作用など生体にとって不可欠な役割を担っています。

 コルチゾールが高値になると、満月様顔貌(がんぼう)(ムーンフェイス)といわれるように顔が肥満したり、胴体や首の後ろが太くなったり、あるいは髭(ひげ)が濃くなったりします。

 このような症状がみられたら、クッシング症候群を疑います。また、医師が使用する「ステロイドホルモン」でも同様の症状が出現します。

 なお、コルチゾールは早朝が最も高く、夕方には早朝の半分くらいに、そして深夜には4分の1程度と、日内変動が極めて大きい検査のひとつです。このため、検査が行われた時間が解釈上重要になってきます。

検査値からの対策

 日内変動が大きい検査のため、軽度異常値、境界値の場合は日内変動を調べたり、各種の負荷試験を行います。

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疑われるおもな病気などは

  • 高値

    クッシング症候群、下垂体腺腫、異所性ACTH産生腫瘍、妊娠末期、ストレス、腎不全など
  • 低値

    アジソン病、下垂体機能低下症、副腎クリーゼなど
出典:四訂版 病院で受ける検査がわかる本 2014年7月更新版