心室中隔欠損
しんしつちゅうかくけっそん
もしかして... 先天性心疾患
心室中隔欠損とは?
どんな病気か
心室中隔欠損は、左右心室の間にある心室中隔に欠損孔が認められる病気です(図3)。
血液の一部分が左心室から欠損孔を通り、右心室を通って肺に流れます。したがって、欠損孔を通る血液の分が肺に多く流れ、心臓に負担をかけます。この余分な血液が多いほど早く症状が現れ、治療が必要になります。
先天性心疾患のなかで最も多く、約20%を占めるといわれています。欠損孔の位置により違いますが、約20~60%に自然閉鎖が認められます。
症状の現れ方
欠損孔が大きい場合には、新生児期よりミルクを飲む量が少なく、体重の増え方が少なく、呼吸が荒く、汗が多いといった心不全症状が認められ、早期の治療が必要になります。中等度では前述した症状が徐々に認められますが、自然に欠損孔が閉じられていく場合には症状も軽くなっていきます。欠損孔が小さい場合には無症状で、心雑音のみが認められます。
検査と診断
X線検査、心臓超音波検査、心電図検査などが行われます。とくに心臓超音波検査で心室中隔に欠損孔が見つかれば診断が確定します。必要な時には心臓カテーテル検査を行います。
治療の方法
手術で欠損孔を閉じることが基本になります。内科的治療としては利尿薬、強心薬、血管拡張薬などが投与されますが、手術までの暫定的な意味合いとなります。
欠損孔が大きく、症状を認める場合には内科的治療を行いつつ、検査の結果や、症状をもとに、手術を行うかどうか検討します。欠損孔が小さい、あるいは中等度の場合には、体重が増えてくるのを待つこともあります。自然に閉じた場合や、欠損孔がかなり小さい場合には手術の必要はありません。
病気に気づいたらどうする
気になる症状がある場合、近隣の小児科を受診します。主治医に指示を受けてください。
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